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【国際】

米中摩擦、個人崇拝 高まる批判 習氏が新施策次々 ガス抜き狙い? 

習近平国家主席

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 【北京=安藤淳】米中貿易摩擦の激化や習近平(しゅうきんぺい)国家主席に対する個人崇拝などへの批判が中国共産党内外で高まる中、習指導部が党員や国民の不満噴出を抑えようと、矢継ぎ早に新たな施策を打ち出している。今月上旬には現指導部と引退した長老らが河北省の避暑地、北戴河に集まり重要政策について協議する非公式の「北戴河会議」が開かれる。同会議を前に不満の「ガス抜き」を図り、長老からの批判を回避しようとの思惑も見え隠れする。

 七月半ばに起きた不正ワクチン事件。中国全土に国民の不安が広がる事態となり、外遊中の習氏と李克強(りこくきょう)首相が相次いで徹底究明を指示。関係者が次々と逮捕され、別のワクチン製造企業に対し政府直属チームが調査に乗り出した。異例のスピードで責任追及や実態解明を進める。

 中東、アフリカ歴訪から二十九日に帰国した習氏は二日後の三十一日、党政治局会議を開催。過剰債務の削減など金融リスクの低減を優先してきた従来の政策を見直し、インフラ投資を増やして景気優先の経済運営に転換する方針を決定した。

 トランプ米大統領が仕掛ける米中貿易摩擦が激化し中国経済には不透明感が増大。香港メディアによると、対米貿易交渉を主導した習氏の側近で経済ブレーンの劉鶴(りゅうかく)副首相への批判も高まっていた。

 一方、党中央宣伝部の〓建国(しょうけんこく)副部長は二十五日、兼務していた国務院新聞弁公室主任(閣僚級)を突然解任され、三十一日にはネット管理などを担う党中央インターネット安全情報化委員会弁公室主任も職を解かれた。

 香港メディアなどでは「習氏への個人崇拝化の動きを推進したり、製造業の長期戦略『中国製造2025』でトランプ米政権を刺激した宣伝方法が問題視された」との臆測が飛び交う。

 このほか、各地で退役軍人のデモが相次いでいる事態について、退役軍人事務省の幹部は七月三十一日、集団陳情など過激な手法に反対しながらも、一部の退役軍人に対して生活補助額を引き上げる考えを表明した。

 とはいえある共産党関係者は、政権への批判や不満が高まっても「習氏の核心の地位は動揺しておらず、(共産党内の)政治闘争には結び付かないだろう」と冷めた見方を示す。習氏が政権運営の中核に据える人民解放軍の創設記念日となった一日付の軍機関紙・解放軍報は社説で「習近平の強軍思想を全面的に貫徹する」と訴えた。

※〓は、草かんむり下に將

 

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