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【国際】

アナン元国連事務総長 死去 平和賞受賞 イラク戦争反対貫く

 【ニューヨーク=共同】国連によると、米中枢同時テロやイラク戦争など世界が大きく揺れた一九九七〜二〇〇六年に国連トップの事務総長を務め、〇一年にノーベル平和賞を受賞したコフィ・アッタ・アナン氏が十八日、スイスで死去した。八十歳だった。死因は明らかになっていない。

 アフリカ出身の事務総長として弱者や人権に重きを置く国連の基礎的な価値観を重視。グローバル化の中、国連を軸にした協調外交を進めた点が評価されノーベル平和賞を受賞、〇三年に始まった米国主導のイラク戦争に一貫して反対した。

 政治家や外交官ではなく一線の国連職員から初めてトップに上り詰めた「たたき上げ」として、職員の信頼は厚かった。

 一九三八年四月、ガーナ生まれ。六二年に国連事務局入りし、国連平和維持活動(PKO)担当事務次長や旧ユーゴスラビア担当国連特別代表などを務め、九七年に事務総長に就任した。

 任期中は地球温暖化防止のための京都議定書採択や、核兵器廃絶への「明確な約束」をうたった核拡散防止条約(NPT)再検討会議(〇〇年)など、国連の枠組みの中で大きな多国間外交の成果を残した。

 貧困撲滅やエイズのまん延防止、女性の地位向上などをうたった「国連ミレニアム開発目標(MDGs)」を掲げ、途上国が抱える課題克服を目指した。国際社会の変化を反映した形に安全保障理事会を改革する必要があるとの立場を取り、日本の常任理事国入りも支持した。

 〇一年の米中枢同時テロ後、安保理決議を経ずにイラク戦争に踏み切った米国を「国連憲章違反」と強く批判し、米国と国連の関係が悪化した。

 〇四年にはイラクに対する国連の人道支援事業「石油・食料交換計画」を巡るスキャンダルが表面化し、長男の関与も取り沙汰されるなど、それまでに築いた権威の失墜につながった。

 

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