東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 8月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

念願 涙の抱擁 離散家族、北朝鮮で再会

20日、北朝鮮の金剛山で始まった南北離散家族の再会事業で抱擁し合う母(左)と息子=韓国記者団・共同

写真

 【ソウル=境田未緒】朝鮮戦争(一九五〇〜五三年)などで生き別れになった韓国と北朝鮮の離散家族が二十日、北朝鮮の金剛山(クムガンサン)で再会した。離散家族の再会は二〇一五年十月以来、約二年十カ月ぶりで韓国の文在寅(ムンジェイン)政権下では初めて。朝鮮戦争の休戦協定締結から六十五年が経過。参加者の高齢化も進み、最初で最後になるかもしれない再会に臨んだ。

 韓国側の参加者八十九人は二十日午前、同行する家族らと共にバスで金剛山へ。韓国共同取材団によると午後三時ごろ、現地のホテルで待っていた北朝鮮側の家族らと再会を果たした。

 参加したハン・シンジャさん(99)は、戦争の際、北朝鮮に残した娘二人と会った瞬間に抱き合い、互いに何も言えないまま涙を流した。ハンさんは「避難したとき…」とわびるように話し始め、また涙で言葉を詰まらせた。

 キム・ビョンオさん(88)は七つ下の妹と再会。医師になっていた妹のキム・スンオクさんは「兄さんと私は本当によく似ている」と話し、「統一したら、一分でもいいから一緒に暮らして死のう」と誓った。

 韓国側参加者は二十二日まで金剛山に滞在し、個別面会や食事など計十一時間ほどを一緒に過ごす。二十四〜二十六日は北朝鮮側で申請した八十三人が韓国の家族と金剛山で再会する。

 再会事業は一九八五年に初めて実施され、二〇〇〇年の南北首脳会談を機に活発化。最近は南北関係の悪化で実施されなかったが、今年四月の南北首脳会談で再会事業実施に合意した。

 韓国政府によると、韓国に住む離散家族の85%が七十歳以上で、今回も車いすやつえを使用する参加者が目立った。

 文大統領は二十日、「南北はもっと大胆に離散家族の問題解決のために努力しなければいけない」と強調。再会事業の定例化や故郷訪問などを進めていく方針を示した。

<南北離散家族> 朝鮮半島では、分断や朝鮮戦争により多くの家族が韓国と北朝鮮に生き別れになった。離散家族の再会事業には、直接、または映像を通じ、これまで当事者の親族も含めると南北の2万3千人超が参加。韓国統一省への登録者は7月時点で約13万2千人。うち約7万5千人が既に死亡し、存命者も85%が70歳以上と高齢化が進んでいる。 (共同)

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報