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【国際】

アジア豪雨 当局に非難の雨

 中国や台湾、インドなどアジア各地で今月、雨期や台風に伴う豪雨災害が相次いでいる。インドでは400人超が死亡し、100万人以上が避難。中国では被害の大きさに悲観した農民が自殺した例も。各国とも、当局の対応に対して被災者から批判や不満の声が上がっている。

◆中国 「人災」ダム放水で洪水

 中国山東省寿光では、台風18号の影響でダムの水位が上昇、二度にわたり放水を実施した結果、下流域で大洪水が発生した。農地に大きな被害を受けて自殺した農民もおり、住民からは「人災」との批判が上がる。

 ダムの放水は二十日と二十六日に実施。寿光は北京の市場に並ぶ野菜の70%を供給する一大生産地だが、放水で洪水が発生し、ビニールハウス十四万棟が壊れ、飼育していた豚五万四千匹が死んだ。

 中国紙・新京報によると、台風による経済損失は九十二億元(約千五百億円)、寿光の死者は十三人。このうち洪水による被害者数は不明だが、米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)などは、十万元(約百六十三万円)を借金してビニールハウスをつくった農民男性(39)が洪水でハウスを失い、前途を悲観して自殺したと伝えた。

 当局は「放水しなければ状況はもっと悪くなっていた」と釈明。住民の一人は、VOAに「当局は弁解ばかりで責任を負おうとしない」と憤った。 (上海・浅井正智)

◆台湾 総統、装甲車で被災地へ

 台湾南部では二十三日からの豪雨で洪水が発生し、床上浸水などで約七千人が避難した。二十六日までに死者七人、負傷者百十六人のほか、約五千匹の豚が死ぬなど農業の被害が大きい。中央気象局は二十六日も〓東(へいとう)県に豪雨注意報を発し、同県は同日を休日とした。

 蔡英文(さいえいぶん)総統は二十五日に被災地を視察。この際に軍の装甲車を使用したため、被災者から「思いやりがない」などと非難を浴びる事態となった。

 二〇〇九年に発生した水害では当時の馬英九(ばえいきゅう)総統の対応が遅れ、世論の激しい非難で支持率が低下した。蔡氏の支持率も低下傾向にあり、今回の蔡氏の行動が十一月の統一地方選挙に与える影響を懸念する声も出ている。 (台北・迫田勝敏)

 ※〓は塀の土へんなし

◆インド なぜ?他国の支援受けず

 AFP通信などによると、インド南部ケララ州で今月上旬から大雨による洪水や土砂崩れが相次ぎ、二十六日現在で四百四十五人が死亡、約百万人が避難生活を強いられている。他国の支援を拒否するモディ政権の姿勢が、復興に悪影響との批判も上がっている。

 ケララ州では八日以降、モンスーンの影響で、一九二四年以来という歴史的な大雨が続いた。大部分のダムで貯水量が上限に達し、放水を開始。河川氾濫で家屋が浸水し、一万キロ以上の道路に被害が出た。

 同州出身者が多く住むUAEは一億ドル(百十一億円)の支援を申し出たが、インド中央政府は拒否。インド外務省は二十二日、「従来の政策に合わせ、国内的努力を通じ、救済と復興の要求を満たすよう力を傾ける」との声明を発表した。

 だが、州政府の被害見積もりは中央政府の支援額を大幅に上回っており、同州のトーマス・アイザック財務相は「ひねくれ者の政策」と非難した。

 AFP通信は、中央政府や州政府が環境への影響を無視した開発を進めた結果、保水力のある湖や湿地が失われたと指摘する専門家の声を取り上げた。 (バンコク・北川成史)

 

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