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【国際】

仏マクロン大統領、苦境 人気の環境相が辞任

 【パリ=竹田佳彦】フランスのマクロン政権で最も人気のあるニコラ・ユロ環境相が二十八日、「度重なる失望」を理由に辞任表明した。マクロン大統領の支持率は今夏、昨年五月の就任以来最低となり、イタリアとハンガリーでは移民の流入に強硬に反対する勢力が「反マクロン」で連携する。マクロン氏は国内外で苦境に陥っている。

 「自分の存在が環境問題に熱心な政権だとの幻想を与えることは望まない」。ユロ氏は二十八日朝、ラジオ局フランス・アンテルの番組で述べた。政権内で環境問題の優先度が低く「権限を与えられていなかった」とも主張した。

 ユロ氏は自然をテーマとする番組の元司会者で環境活動家。既存の政治と一線を画す政権の目玉として入閣しており、辞任は痛手となる。オランド前政権時代には地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」成立の推進役だった。

 パリ政治学院の政治学者ブルーノ・コトレスさんは「辞任はフランス政府が環境問題に消極的との印象を国民に与え、ユロ氏の孤立も示した」と指摘。パリ協定で「旗振り役のフランスの立場を弱くする可能性がある」と懸念する。

 EUを巡っては、移民排斥を掲げるハンガリーのオルバン首相が二十八日、イタリア北部ミラノで極右政党「同盟」書記長のサルビーニ伊副首相と会談。フェンスや沿岸警備による国境管理強化や、不法移民対策で連携を確認した。

 オルバン氏は記者会見で、難民救助船のイタリア着岸を拒否するサルビーニ氏を「英雄だ」と称賛。一方「欧州にはマクロン氏を先頭とする移民支持派の政治勢力と、不法移民を止めようとする勢力がある」と対抗意識をむき出しにした。二〇一九年五月の欧州議会議員選挙やマクロン氏の推進するEU改革などで対立が激化するとみられる。

 仏大手調査機関IFOPが二十三、二十四日に実施した世論調査結果では、大統領としてのマクロン氏に満足との回答が34%、不満は66%に上った。ボディーガードを務めていた男による労組デモ参加者への暴行事件で責任を問われるなど逆風が強まっている。

 

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