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【国際】

米圧力強化 和平遠く パレスチナへの支援停止か

 【ワシントン=後藤孝好】トランプ米大統領はパレスチナ難民への経済支援を停止するなど、中東和平を巡り強硬姿勢を鮮明にしている。エルサレムをイスラエルの首都と認定して米大使館を移転したことを受け、パレスチナ自治政府が米政府の仲介を拒む中、圧力を強め、交渉再開を迫る狙い。パレスチナ側のさらなる反発を招くのは必至で、和平の道筋は描けていない。

 米紙ワシントン・ポスト電子版は三十日、トランプ政権がパレスチナ難民支援のための拠出金を全て停止することを決定したと報じた。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が五百万人以上とするパレスチナ難民の認定数を十分の一以下に減らすか、一九四九年のUNRWA創設時から生存している人に限るよう求める方針という。

 過去の和平交渉では、多数の難民のイスラエル領内への「帰還権」が懸案となってきた。米政府は、子や孫に引き継がれた難民の地位を剥奪し、四八年のイスラエル建国で発生した当初の難民の帰還だけで幕引きを図る思惑とみられるが、国際社会から非難の声が上がるのは確実だ。

 米国務省は八月、トランプ氏の指示に基づいて、パレスチナ自治政府向けの二億ドル(約二百二十二億円)の経済支援を撤回すると発表。UNRWAに関しても米国は昨年、拠出金全体の約三割の三億六千万ドル(約四百億円)を負担する最大の支援国だったが、今年は六千万ドル(約六十七億円)の支出に留まっている。

 トランプ氏には、十一月の中間選挙を控えイスラエル寄りの政策を推進することで、巨額の政治献金が期待できるユダヤ系や、米国最大の宗教勢力で米人口の四分の一を占めるキリスト教右派の福音派など親イスラエルの支持層にアピールする思惑もある。

 

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