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【国際】

シリア政権軍が総攻撃か トルコ「停戦を」 ロとイラン応じず

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 【カイロ=奥田哲平】シリアのアサド政権軍が総攻撃を模索する反体制派最後の拠点、北西部イドリブ県を巡るロシアとトルコ、イラン三カ国の首脳会談は七日、政治解決の道筋を示せないまま終わった。戦闘不可避との見方が強まる中、焦点は攻撃対象を絞り、民間人の犠牲を最小限に抑えられるかに移りそうだ。

 首脳会談では、反体制派を支援し総攻撃に反対するトルコのエルドアン大統領が共同声明に「停戦」の文言を入れるよう求めたが、アサド政権を支持するロシアのプーチン大統領は拒否。ロシアと同じ立場を取るイランのロウハニ大統領も同調し合意できなかった。

 国連は十日以降に三カ国を交えた和平協議を開き、あらためて戦闘回避を模索するが、攻撃が強行される見通しが強まっている。

 難しい立場に追い込まれたのが、難民流入を懸念するトルコだ。エルドアン氏は、会談後のツイッターで「何万人もの無実の人々が殺害されるのを傍観しない」とつづる一方で、「ゲームには参加しない」とも。トルコ軍はイドリブ県内十二カ所に監視所を設置するが、総攻撃で部隊が危険にさらされかねない。

 トルコは水面下で、国際テロ組織アルカイダ系の「シリア解放機構」(旧ヌスラ戦線)を追放し、比較的穏健的とされる反体制派を武装解除して本格的な地上進攻を回避する対応策をロシア側と協議しているとの情報もある。ただ、イドリブ県から逃れられる場所は残っておらず、民間人との区別は容易ではない。

 首脳会談は全て公開で生中継され、三カ国の意見の隔たりを浮き彫りにした。シリア情勢に詳しいレバノンの政治評論家ファイズ・アグール氏は「互いの狙いが果たされた。ロシアとイランは世界中に『テロ組織排除が目的』と印象付けられ、トルコはシリア解放機構に圧力をかけた」と指摘。シリア人権監視団(ロンドン)のアブドルラフマン所長は「本格進攻ではなく、アルカイダ系だけを標的にした限定的な攻撃が続くだろう」とみる。

 

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