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【国際】

北軍事パレード、米に配慮 建国70年 弾道ミサイルなし

9日、平壌の金日成広場で、中国の栗戦書・全人代常務委員長(左)と手を上げて歓声に応える金正恩朝鮮労働党委員長=共同

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 【北京=城内康伸】北朝鮮は建国七十周年を迎えた九日、首都平壌(ピョンヤン)で軍事パレードを行ったが、米国を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの弾道ミサイルは登場しなかった。非核化交渉を続ける米国に配慮した一方で、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は「後ろ盾」となる中国の最高指導部メンバーと並んでパレードを参観。中朝の結束を印象づけ、米国をけん制することも忘れなかった。

 注目された正恩氏の演説はなく、北朝鮮序列二位の金永南(キムヨンナム)最高人民会議常任委員長が演説。核やミサイル開発への言及はなく、社会主義国家としての発展をアピールし、経済建設を進めていく考えを強調した。

 北朝鮮が弾道ミサイルを登場させなかったのは、関係改善を図る米国を刺激することや、国際社会のイメージ悪化を避けたとみられる。二月の朝鮮人民軍創建日(建軍節)に行った軍事パレードでは、「米本土全域を攻撃可能」と主張する新型ICBM「火星15」や日本上空を通過した中距離弾道ミサイル「火星12」などを公開した。

 今回のパレードには、中国共産党序列三位の栗戦書(りつせんしょ)全国人民代表大会常務委員長(国会議長)が出席。中国最高指導部メンバーの軍事パレード参観は二〇一五年十月、共産党序列五位の劉雲山(りゅううんざん)政治局常務委員(当時)以来。正恩氏はこの日栗氏と会談したほか、ひな壇では同氏の手を取って上げてみせた。また朝鮮中央通信は、習近平(しゅうきんぺい)国家主席が九日付で正恩氏に送った祝電を紹介した。

 北朝鮮側には米国に一定の配慮を示しつつ、中国との蜜月を演出することで、米国との非核化を巡る交渉では一方的な譲歩はしないというメッセージを伝える狙いがあったようだ。中国は北朝鮮が主張する「同時行動原則」を支持している。

 中国国営中央テレビによると、正恩氏は栗氏との会談で核実験場の廃棄などを念頭に置いて「朝米首脳会談の合意を堅持し、このための措置を取った」と表明。米国が相応の行動を取るよう求めた。

◆「非核化に向けた良いメッセージ」 韓国評価

 【ソウル=上野実輝彦】韓国統一省報道官は十日の定例記者会見で、北朝鮮の建国七十周年の軍事パレードに大陸間弾道ミサイル(ICBM)が登場しなかったことについて「南北関係発展や、朝鮮半島の非核化と平和定着に向けて良いメッセージを送った」と評価した。

 国防省報道官も同日の会見で「国内外メディアが肯定的に評価している」とし、「朝鮮半島の分断と対決を終息させ平和が持続するよう、軍事的緊張の緩和と信頼構築に努力していく」と述べた。

 

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