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【国際】

米「財政支援停止」「代表部閉鎖」 パレスチナ反発「屈しない」

11日、カイロで開かれたアラブ連盟外相会合でUNRWAへの支援を呼び掛けるアハマド・バケルさん(左)とクレヘンビュール事務局長=奥田哲平撮影

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 【カイロ=奥田哲平】トランプ米政権が首都ワシントンにあるパレスチナ解放機構(PLO)の代表部(大使館に相当)閉鎖を決めたことを受け、PLOのアリカット事務局長は十一日「米国の脅迫には屈しない」と反発を強めた。米国は財政支援停止も含めた「制裁」でパレスチナ側を交渉のテーブルに着かせたい狙いだが、事実上の断交状態に陥る恐れがある。

 PLOはパレスチナ自治区があるヨルダン川西岸やガザ、周辺国ヨルダン、レバノン、シリアに住むパレスチナ人を代表する組織。

 米国務省のナウアート報道官は十日「PLOはイスラエルと意味のある直接交渉を始めようとしない」と批判。アリカット氏は十一日の会見で「パレスチナ人の権利を追求し続ける」として国際刑事裁判所(ICC)への捜査付託を撤回しない考えを示すなど、両者の対立は深まっている。

 米国はこれまで、パレスチナ側への圧力の一環として、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への拠出金を停止。パレスチナ自治区での直接支援二億ドル(約二百二十二億円)や、東エルサレムにある病院への支援約二千五百万ドルも中止した。

 パレスチナが対話に応じる可能性は低い。和平交渉の主要論点のうち、米国は昨年十二月にエルサレムをイスラエルの首都と認定したうえ、UNRWAへの締め付けで難民帰還問題を交渉議題から外す思惑とされる。パレスチナ独立国家樹立を目指す二国家共存案の前提を否定するような動きに対し、不信感は強い。

 ただ、UNRWAの活動資金は九月末で尽きるとされ、難民約五百三十万人の人道危機が深刻化しかねない。クレヘンビュール事務局長は十日、エジプトの首都カイロで記者会見し、二億ドルが不足していると説明した。

 十一日にカイロで開かれたアラブ連盟(二十二カ国・機構)の外相会合には、ヨルダンにあるUNRWA運営の学校で学ぶアハマド・バケルさん(14)が出席。「私たちが学校で学び、夢をかなえるのを助けてください。失望させないでください」と訴えた。

 

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