東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

EU発足25年「英の離脱、終わりの始まり」 仏の強硬離脱派・アスリノ氏に聞く

写真

 一九九三年十一月の発足から四半世紀を迎えた欧州連合(EU)は、各国で反対勢力が伸長し、結束が揺らいでいる。フランスで離脱(フレグジット)を掲げる強硬な反EU政党、人民共和連合(UPR)のフランソワ・アスリノ党首(61)は、今の混迷を「終わりの始まり」と指摘。十月に来日した異端の政治家の主張を聞いた。 (小嶋麻友美、写真も)

 −他の反EU政党とどう主張が異なるのですか。

 「他はEUの改革を掲げている。国民連合(旧国民戦線)のルペン氏も、今ではEU離脱を公約から外している。EUの存在自体を疑問視しているのはわれわれだけです。EUは機能不全。『出るしかない』というのが私の主張です」

 「欧州統合のプロジェクトはそもそも実現不可能だった。言語や宗教、経済が異なる二十八カ国を統治するには、各国の利益に合わず、市民が望まない政策を押しつけるという反民主的で独裁的な手法にならざるを得ない。フランスはアフリカ諸国などとグローバルな関係を築いてきたのに、白人のキリスト教国が集まるのは閉鎖的で人種差別的とも言えます。さらに、仏独の和解で欧州の平和が保たれてきたと皆言うが、二十一世紀の今日、対独戦争はあり得ない。逆に欧州が一つにまとまることで、中東やロシアとの亀裂が生まれている」

 「われわれは普通の国が持っている主権や通貨、民主主義を取り戻したいだけ。しかしメディアは、反EUと言えば極右か極左というイメージを植え付けようとするのです」

 −英国の離脱交渉はうまくいっていません。

 「英国の失業率は4%に下がり、逆にポンド安で外国の投資が流入している。他国で離脱の連鎖反応が起きては困るので、EU支持者たちは必死に足を引っ張っているのです。英国はEUへの拠出額の方が分配される額より多く、立場が強いのはEUではなく英国。それはフランスも同じです」

 −各国で反EU派が伸長している。UPRも党員が増えているそうですね。

 「EU創設はいったい何をもたらしたのでしょうか。産業や資本の移転が促され、結果的に利益を得たのは億万長者や競争力のある企業。フランスなどでは貧困率が上がった。市民にはEUの恩恵がないのです。いずれEUは破綻する。英国の離脱が、歴史的に終わりの始まりとなるでしょう」

 「大手メディアはわれわれの主張を取り上げない。UPRのウェブサイトは仏の政党で最もアクセス数が多く、ユーチューブは毎回十万回以上視聴されています。支持者は海外に広がり、国内では外国にルーツのある人が多い。大半は十代から三十代の若者です。職探しに苦しむ若い人たちが、われわれの元に集まっているのです」

<フランソワ・アスリノ> 1957年、パリ生まれ。在日フランス大使館経済担当官、財務省財務上級監査官などを経て2007年、「人民共和連合」を創設。17年大統領選の第1回投票では得票率0.92%で、候補者11人中9位だった。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報