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【国際】

イエメン暫定政権軍が進攻 西部のホデイダ フーシ派と市街戦

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 【カイロ=奥田哲平】内戦が続くイエメン西部の港湾都市ホデイダで六日、サウジアラビアなどが支援するハディ大統領の暫定政権軍が市街地に進攻し、実効支配する反政府武装組織フーシ派との間で戦闘が始まったもようだ。民間人の犠牲が拡大する恐れが高まっている。

 AFP通信などによると、フーシ派は民家屋上に狙撃手を配置し、迫撃砲などで応戦。この二十四時間で双方の兵士三十九人が死亡したという。国連児童基金(ユニセフ)は六日、市南部のサウラ病院近くで戦闘が発生し、「集中治療室内の二十五人を含む子ども五十九人に命の危険が迫っている」と警告した。

 ホデイダは国連などが援助物資を搬入する主要港。暫定政権軍が今年六月以来包囲している。四日から携帯電話が遮断され、首都サヌアのラビア・ラーシドさん(28)は本紙の電話取材に「ホデイダの友人と連絡が取れない。戦闘が激化すれば人道支援が滞り、イエメン全土に影響を及ぼす」と不安がった。

 イエメン内戦を巡っては、米政権が先月末に早期停戦と今月中の国連主導の和平協議開催を受け入れるよう求めた。だが、ハディ氏を推すサウジやアラブ首長国連邦(UAE)は、米国の呼び掛けに応じていない。ホデイダでの戦闘激化は、和平協議を前に戦況を有利に運ぼうとする戦略とみられる。フーシ派指導者のフーシ師は七日、降伏する考えを否定した。

 内戦は、ハディ暫定政権と親イランのフーシ派が対立し、中東で覇権を争うサウジとイランの「代理戦争」の様相を呈している。国連によると、これまでに戦闘で一万人以上が死亡し、八百四十万人が飢餓状態の「世界最悪の人道危機」に陥っている。

<イエメン内戦> 中東の民主化運動「アラブの春」を発端に、独裁体制にあったサレハ前大統領が2012年に退陣に追い込まれ、当時副大統領だったハディ氏が暫定政権を樹立した。だが、イスラム教シーア派の武装組織フーシ派とサレハ氏が連携し、14年に首都サヌアを実効支配。フーシ派と同じイスラム教シーア派のイランの影響力が強まることを恐れたスンニ派のサウジアラビアが15年、ハディ氏を支援するために連合軍を主導して軍事介入した。

 

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