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【国際】

帰還延期の責任押しつけ ロヒンギャ難民問題でミャンマーとバングラ

15日、バングラデシュのキャンプで帰還に抗議するロヒンギャ難民の少年たち=ロイター・共同

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 【バンコク=北川成史】ミャンマーで迫害を受けたイスラム教徒少数民族ロヒンギャが隣国バングラデシュに逃れている問題で、十五日に開始予定だった難民の帰還が進まず、両国政府がその責任を押し付け合っている。ミャンマーで難民の安全が確保されるか不透明なまま、帰還を決めた両国の拙速さは明白で、今後も難航が予想される。

 「難民が戻りたがっていない。強制できない」。バングラデシュのアリ外相は十五日夜、ミャンマー側の受け入れ環境に問題があることを示唆。難民の代表者にミャンマーの帰還先を視察させる方策に取り組む意向を明らかにした。日本政府からの提案だという。

 一方、ミャンマーのミン・トゥン外務次官は同日夜、「バングラデシュの調整の不十分さが原因だ」と強調。安全面などを理由に現時点での帰還に反対する国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に対しても「帰還を求める人を妨げるべきではない」と批判した。

 両政府による帰還開始の合意は先月末。最初の帰還対象に約二千人を選出し、十五日から一日あたり百五十人をミャンマーが受け入れる計画を立てた。昨年八月にロヒンギャ武装勢力と治安部隊が衝突し、七十万人以上の難民が発生後、初の本格帰還になるはずだったが、十五日は誰も応じなかった。

 ミャンマーは今月中旬に東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議、バングラデシュは年末に総選挙が迫り、成果がほしい時期だった。UNHCR関係者は「帰還は時期尚早で政治的だ」と強い懸念を示す。両国は当初一月に予定した帰還が先送りになった際も相手を批判している。

 難民キャンプではデモが発生。現地からの報道によると、ミャンマーで不法移民扱いのロヒンギャらは「(ミャンマー)国籍が認められるまで帰らない」と訴えたという。キャンプで暮らす男性は、本紙の電話取材に「帰還計画は私たちの意思や不安を無視している」と憤った。

 

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