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【国際】

来月11日の英議会承認めど立たず 「ノルウェー型」離脱浮上

 【ロンドン=阿部伸哉】英国の欧州連合(EU)離脱の合意案を巡り、十二月十一日の英議会採決で承認されなかった場合の緊急シナリオが、メイ首相抜きで与党・保守党内で練られている。複数の英メディアによると、最も有力なのが「欧州経済地域(EEA)」に駆け込み申請する案で、合意案よりEU残留にさらに近い。議会内で多数を占めるEU残留派が党派を超えて結束しやすいシナリオとして急浮上している。

 メイ氏がEUと合意に達した案は、与党内でも「これならEU残留の方がまし」と反発の声が強く、議会承認のめどが立っていない。英政府が二十八日、発表した経済分析では、メイ氏の合意案通りでも約十五年間で最大3・9%の経済減速見通しが示された。

 そこで保守党内のEU残留派で練られているのがEEA加入。ノルウェーやアイスランドなど非EU加盟国がEU単一市場に参加する仕組みで、英国では「ノルウェー型」離脱と呼ばれている。実質、EU加盟国と同じ扱いで、離脱による産業界や雇用への影響はほぼない。

 半面、移民制限ができない上にEU分担金も支払うが、EUでの議決権は失う。強硬離脱派は「EUの属国となる」として猛反発する案だが、英紙フィナンシャル・タイムズによると、英下院議員六百五十人のうち四百八十人はEU残留派。結束すれば強硬派は「数で押し切られる」ことになる。EUにとっても、既に存在するよりソフトな枠組みを使う提案には応じやすい。

 問題は、政局混乱による政権交代を狙う野党第一党・労働党からどれだけの支援を得られるか。メイ氏にとっても、新シナリオは合意案の否定に等しく「合意案通過しか考えていない」と、打ち消しに躍起となっている。

 

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