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【国際】

強硬離脱派の孤立 鮮明に 英議会、集中審議始まる

4日、英下院で発言するメイ首相=AP・共同

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 【ロンドン=阿部伸哉】英政府が欧州連合(EU)と達した離脱合意案を巡る集中審議が四日、英議会で始まった。十一日に採決される。メイ首相は与野党双方から「国民の利益にならない」と攻撃され、合意案承認のめどは全く立っていないが、EU残留派を中心に現行の合意案よりソフト(穏健)な合意を目指す動きが党派を超えて拡大。強硬離脱派の孤立がはっきりし始めてきた。

 「合意案が否決されれば、ブレグジット(英離脱)が不可能になるリスクがある」。メイ氏は下院での審議冒頭、与党・保守党内に多い強硬離脱派を意識して警告した。実際に審議に先だって、その兆候となる動議が下院で可決された。

 合意案の否決を想定し、議会がその後の政府対応に発言権を持つ内容。大混乱を招きかねない「合意なき離脱」を避けるよう、議会が指示を出すこともできる。保守党内の親EU派議員二十六人が造反し、野党案に乗った結果だった。

 英下院議員六百五十人のうち、四百八十人ほどはもともとEU残留支持。「移民制限」「分担金支払いの停止」といった強硬離脱派の要求を取り入れた現合意案が否決されれば、与野党の親EU派が結束。EUが賛同しやすい「よりソフト」な案に修正し、政府にEUとの再交渉を求める可能性が強まってきた。

 メイ氏の面目は丸つぶれだが、その一方で「合意なき離脱の懸念は後退」(英紙フィナンシャル・タイムズ)との希望的観測も浮上している。

 この日、欧州司法裁判所のボルドーナ法務官が「EU加盟国は自国の判断だけで離脱を撤回できる」とする個人的な見解を示し、国民投票の再実施への機運も高まっている。ただ、EUの公式見解とは異なっている上、国民投票の再実施のためには来年三月二十九日の離脱期日を延期する必要もありハードルは高い。メイ氏は「国民投票をやり直しても『もう一度やれ』と要求が出て、際限がない」と実施を強く否定している。

 

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