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【国際】

「ほとんどのがん、治療できると確信」 本庶さん ノーベル賞会見

6日、ストックホルムのカロリンスカ研究所で公式記者会見をする、ノーベル医学生理学賞の本庶佑・京都大特別教授=共同

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 【ストックホルム=沢田千秋】今年のノーベル医学生理学賞を受賞する本庶佑(ほんじょたすく)京都大特別教授(76)と米テキサス大のジェームズ・アリソン教授(70)が六日午後(日本時間六日夜)、ストックホルムのカロリンスカ研究所で授賞式を前に公式記者会見を開いた。

 本庶さんは冒頭、アリソン教授の印象について「私たちは共同研究でも競争でもなく、独立した異なる研究を行った。補完的関係でノーベル賞を共有でき、とてもうれしい」と笑顔で語った。

 二人は、がん細胞に強い攻撃力を発揮する免疫細胞の表面で、ブレーキ役として働くタンパク質を発見。本庶さんの研究を基に実用化された新薬オプジーボは、がん細胞が、このタンパク質と結合して免疫細胞の攻撃にブレーキをかけるのを阻止する。新薬は現在、世界中のがん患者の希望。副作用が強い放射線治療や抗がん剤ではなく、人間が本来持つ免疫力でがんに対抗する画期的な発見に「がん治療の可能性を大きく広げた」として受賞が決まった。

 本庶さんは「人類ががんを克服できるのはいつか」との質問に「私たちの発見からまだ二十年未満だが、たくさんのがん患者が治っている。そして、たくさんの人が関わるようになった。二〇五〇年には、ほとんどのがんが免疫療法で治療できると確信している」とし、「大きくならないがんと共存するという形でのがん治療は不可能ではない」と力を込めた。

 賞金九百万スウェーデンクローナ(約一億一千三百万円)は二人で等分する予定で、アリソン教授は「税金を払わないといけないが、米国でのがん研究や妻と支援している少女の教育支援の慈善団体に使い、強制結婚などをなくしたい」と述べた。本庶さんは「日本政府は賞金の税金を免除している」と笑いを誘い、「京大で生命科学を研究する若者を支える基金に寄付する」と明かした。

 本庶さんは六日午前、市内のノーベル博物館を訪れ、受賞者が喫茶店の椅子の裏にサインをする恒例行事に参加した。七日午後にはカロリンスカ研究所で受賞記念講演を行う。十日の授賞式には、京都であつらえた和服で臨むという。

 

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