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【国際】

中国、エジプト投資活発 「一帯一路」の要衝 影響力拡大狙う

エジプトの首都カイロ近郊で、中国企業が手掛ける新首都のビジネス街建設現場=奥田哲平撮影

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 【カイロ=奥田哲平】エジプトのシシ政権が首都カイロ近郊で進める「新首都」建設事業で、中国の積極的な投資が目立っている。2011年以降、2度の政変で低迷する経済回復への起爆剤を求めるエジプトと、巨大経済圏構想「一帯一路」に欠かせない要衝での影響力拡大を狙う中国の思惑が一致した。

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 カイロから東へ三十五キロ。広大な砂漠の中に点々と建設中のビル群が現れた。新首都の面積は東京二十三区より一回り大きい七百十四平方キロメートル。二〇年中に全省庁と国会、大統領府を移転させ、ビジネス街や教育機関、居住地域などを備えた人口六百五十万人の新たな都市を造る一大事業だ。

 二千二百万人が暮らす現在のカイロは、人口過密による慢性的な交通渋滞と大気汚染に加え、インフラの老朽化も深刻。シシ大統領は一五年に「新首都」構想をぶち上げたが、相次いだ政変による外貨不足で一六年には国際通貨基金(IMF)から融資を受ける立場に。そんな状況での投資に名乗りを上げたのが中国だった。

 欧州と中国を結ぶ一帯一路構想のうち、スエズ運河を持つエジプトは、インド洋から欧州に向かう海路の戦略的な要衝だ。「新首都」では、中国の銀行がビジネス地区建設に三十億ドル(三千四百億円)、カイロ市内と結ぶ鉄道建設に二十五億ドルを融資する。ビジネス地区には二十棟の商業ビルとアフリカで一番高い三百八十五メートルの高層タワーを建てる計画で、中国の国有企業が建設を手掛ける。

 「新首都」の建設予定地を所有する国防省出資企業「新首都都市開発」のハリド・フセイン広報官は「中国は最重要パートナーで、政治主導が何よりも重要だ」と強調する。シシ氏は九月に北京で開かれた「中国アフリカ協力フォーラム」の首脳会合に出席。「エジプトが開発を優先する事業は、一帯一路構想に準拠している」と持ち上げた。スエズ運河周辺の経済特区にも、中国の石油化学企業やガラス繊維企業などが進出する計画という。

 ただ、アジアやアフリカ諸国で問題になっている債務返済の負担を懸念する声もある。エジプト出身で米マサチューセッツ工科大学のナエル・シャフェイ講師によると、政府はビジネス地区の供給面積全てを一平方メートル当たり二千ドルで販売しなければ完済できない計算で、「巨額の負債が残るだろう」と懐疑的だ。「返済できない場合に、政府が中国に対し、どんな損失補償を約束しているのかが問題だ」と指摘した。

 

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