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【国際】

スーダン 反大統領デモ拡大 激しい物価上昇 パン3倍に

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 【カイロ=奥田哲平】アフリカ北東部スーダンで、食料品値上がりや燃料不足に対する市民の抗議デモが一週間以上続き、長期独裁政権を揺るがす事態になっている。デモ隊は二十九年権力の座にあるバシル大統領の退陣を要求して全土に拡大。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、治安部隊との衝突で二十四日までに三十七人が死亡したとしている。

 AFP通信によると、抗議デモは十九日に東部アトバラで始まり、野党や労働団体が参加して首都ハルツームにも広がった。デモ隊は二〇一一年の中東の民主化運動「アラブの春」の際に使われたスローガン「自由、平和、私たちは政権打倒を求めている」を叫び、治安部隊は催涙ガスや実弾を使用して野党指導者らを拘束した。バシル氏は「市民に相応な生活を保障するため、経済改革を実行する」と約束したが退陣は拒否しており、デモは収束の気配を見せない。

 デモの発端は、パンの値段が三倍になるなどの物価上昇だ。年初に一ドル=六・九スーダンポンドだった通貨が四七ポンドまで急落。インフレ率は70%に達している。スーダンは、一一年に70%以上の油田が集中する南部が南スーダンとして独立し、国家収入が減少。テロ支援国家に指定した米国から経済制裁(昨年十月に解除)を受け、内戦が続く南スーダンやシリアなどから難民も押し寄せた。

 政治評論家オマル・スディク氏は「バシル氏が全ての権力を握っているスーダンで政権が倒れれば、無政府状態のリビアのようになる」と懸念する。かねてイスラム過激派の流入も指摘され、混乱の波及を警戒する隣国エジプトは二十七日、政府高官を派遣。バシル氏と会談したシュクリ外相は、「スーダンの安定は、エジプトの安定を意味する」と支援を約束した。

 バシル氏は一九八九年の軍事クーデターで実権を握り、西部ダルフールでの民族紛争を巡る戦争犯罪などの容疑で、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ている。

 

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