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【国際】

抗議デモ、地方拡大へ タイ総選挙 延期の公算

13日、タイの首都バンコクで「総選挙を延期するな」と声を張り上げる抗議デモの参加者たち=山上隆之撮影

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 【バンコク=山上隆之】軍事政権が続くタイで、民政復帰に向け二月二十四日に予定された総選挙が再び先送りされる可能性が高まっていることに、世論の反発が強まっている。軍政側は「五月の国王の戴冠式に支障が出ないようにするためだ」と説明するが、「もう我慢できない」と怒りの声が上がっており、抗議デモは国内各地に拡大しそうだ。

 「マイ・ルアン!(延期するな)」「ルアッタン!(選挙を)」。首都バンコクの繁華街に十三日、軍政に反対する活動家や市民ら数百人が集まり、総選挙を速やかに実施するよう声を張り上げた。相次ぐ抗議活動に参加した自営業男性のアーコムさん(54)は「先送りは親軍政政党が選挙で勝つための時間稼ぎだ。軍政は信用できない」と切り捨てる。

 市民らが不満をぶつけるのは、軍政が二〇一四年五月のクーデター以来、四年半以上の間、何度も総選挙の延期を繰り返し民政復帰が実現していない上、さらに選挙日程が不透明になったためだ。軍政は投票日を二月二十四日と想定して、一月二日に選挙実施の勅令を受け、四日に選挙管理委員会が投票日を正式に決めるとしていた。

 しかし、王室が一日、戴冠式日程を五月四〜六日と発表。タイでは王室行事が極めて重視されている。新首相選出など選挙後の政治日程と重なるとして、軍政は選管に延期を提案し、選管も決定を見送った。

 問題を難しくしているのが、新憲法と選挙関連法の規定だ。五月九日までに選挙を終えなければならないとしている。票の集計作業や最終結果発表が遅れるなどした場合、一四年二月と同様に選挙自体が無効になる恐れもある。

 選挙無効は軍政のさらなる長期化につながる。活動家グループは十三日以降、バンコクのほか、地方でもデモ実施を予告。タイ政治に詳しい専門家は「選挙をこれ以上遅らせたら、市民の怒りに火が付き、かつての混乱が再び起きる可能性もある」と指摘する。

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