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【国際】

続く独裁、宗教で正当化 バニサドル・イラン初代大統領インタビュー

パリ近郊で1月、インタビューに答えるバニサドル初代イラン大統領=竹田佳彦撮影

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 ホメイニ師とともにイラン革命を主導した後、民主主義を巡り対立し、一九八一年にフランスへ亡命したアボルハッサン・バニサドル元大統領(85)=仏在住=に、イランの四十年を聞いた。 (聞き手=竹田佳彦)

 −革命から四十年だ。

 亡命先のパリからホメイニ師と空路帰国した時のことを思い出す。あたりを埋め尽くす人の海。歓喜と信頼感がすごかった。しかし飛行機に宗教指導者たちが乗り込んできて、空気は一変した。革命後は一部の宗教指導者による独裁体制となり、イスラム法による統治は実現しなかった。体制は宗教を(支配の)正当化のために使っている。

 −革命ではどのような国家を目指したのか。

 人権が尊重され、男女同権の社会だ。イラン人が独立した自由な国民になるため、政治、経済、社会的に変革を起こす計画だった。

 −八一年六月に失脚、亡命した。

 ホメイニ師は仏亡命中、私と同じ国家像を描いていたが、イランに戻り権力を握ると変わってしまった。「全権を握るのは私だ」として憲法も国民に選ばれた大統領も尊重しなくなった。八一年の亡命は断腸の思いだったが、(新たな)革命が実現するまで戦い続けると強く決意した。

 −ロウハニ政権をどう評価する。

 格差や貧困が広がり状況は悪化している。国民主権にはほど遠く、経済は原油輸出依存のままで制裁で甚大な被害を受ける。経済の仕組みを変える必要があるが、進んでいない。

 −最高指導者ハメネイ師の後継は誰になるか。

 ハメネイ師は病気の情報もある。後継には息子のムスタバ氏やラリジャニ司法府長官の名前が挙がるが、誰になっても現体制は変わらない。

 −米国は核合意離脱や経済制裁など圧力を強める。

 その結果、政権は失業や貧困、食料不足など厳しい国民生活を米国の責任に転嫁できる。この状況では、変化を求める国民は、声を上げられない。米国や欧州は介入を止めることだ。日本には圧力が無意味だと米国を説得してもらいたい。

イランに帰国し、航空機内から姿を現したホメイニ師=1979年2月1日、テヘランで(AP・共同)

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<アボルハッサン・バニサドル> 1933年生まれ。学生時代から反政府活動に参加、パリ留学中の66年、亡命中のホメイニ師と面会し支持者に。80年1月、初代大統領に当選したが81年6月、革命路線急進派と対立し大統領解任。同7月にパリに亡命した。

 

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