東京新聞
中川鋭之助賞

■平成13年度 受賞者インタビュー

佐々木大さん
解釈の幅広いダンサー目指す
 新進舞踊家に贈られる中川鋭之助賞(東京新聞制定)を受賞した佐々木大。「思いもよらなかった。みんながお祝いの言葉をかけてくれ、賞の重みがジワジワーっと身に染みている」と、喜びをかみしめる。

 大阪府出身。バレエスタジオを開いている母親の手ほどきで、6歳からバレエを始め、中学3年の時、ダンサーの道で生きる決意をした。国内の主要コンクールに幾度も挑戦したが認められず、海外に出てヴァルナ(ブルガリア)ジャクソン(米国)ペルミ(ロシア)など世界のコンクールで上位入賞を果たした。

 国立ロシアバレエ団へ入団、転機が訪れた。主役級として迎えられたはずが、団長から「君はバレエを知らない。一から勉強するつもりでやりなさい」と、きつい一言。

 「それまで跳躍や回転など派手なテクニックの向上ばかり考えていたが、ここでポジション取りや筋肉のしめ方など、バレエのベースをみっちり教わった」

 94年からは、けがとの闘い。左足甲の骨折とじん帯の切断、腰、ひざの故障…。じん帯再建のため、1年間全く踊れない日々を送った。治ってからは、踊れる喜びを肌で感じている。

 米国の天才ダンサー、ラスタ・トーマスや大澄賢也との共演など、活動はクラシックバレエにとどまらない。「身体を使って表現するのがダンサー。ジャンルの枠をはめずにいきたい。演技力のある、一つの役でも解釈の受け皿の広い踊り手になりたい」

 大阪弁で、飾らず話す気さくな人柄。確かな技術。ペアを組みたがるバレリーナも多いと聞いていたが、納得した。今後の活躍が期待される。

(坪坂美智代)

(2001年4月2日・東京新聞)

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