東京新聞
中川鋭之助賞

■平成14年度 受賞者インタビュー

上野 水香さん
さらに世界レベルへ
 現代舞踊の若手ダンサーに贈る東京新聞の「中川鋭之助賞」に上野水香が選ばれ、このたびインタビューにこたえた。同賞受賞者は今年で8人目。「すばらしい方々の中に加えていただき光栄です。これまで支えてくださった方たちに感謝でいっぱい」と感想を語る。

 文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞も決まり、二重の喜びである。

 5歳でバレエを始めたが「夢を売るようなこの仕事が好きで好きで…」。コンクールにも楽しんで参加した。ローザンヌ・コンクールではひざを痛めながら、見事1年間モナコ留学のスカラシップを射止めたがんばり屋でもある。

 「15歳で朝からレッスンを受けられる経験ができたのは幸せでした」

 今回の受賞はローラン・プティ作品での優れた演技によるもの。

 18歳の時、牧阿佐美バレエ団を指導したプティが、彼女のレッスンを見て“面白い子がいる”と目をつけたのが出会いのきっかけだが、その6年前にプティ率いるマルセイユ・バレエ団日本公演の「くるみ割り人形」に子役で出演、けいこ中に団員をどなりつけるプティがとてもこわく、その夢をみたこともあるという。

 「いまはどなられることはないけれど、足首が緩んでいたりするとすぐ細かな注意があります」。“すきのない完ぺき主義者”がいまのプティ像。

 古典では「白鳥の湖」「くるみ割り人形」に主演している。「白鳥は小さい時からのあこがれ。踊れば踊るほど、奥の深さを感じます」と古典の魅力を語る。

 プロポーションに恵まれ、ずば抜けた才能を持つと評価の高い彼女だが、「まだまだ未開発の部分だらけ。ほかの芸術にも興味を持って根気よく穴を埋めていき、できる限りのハイレベルを目指し、世界のダンサーのクラスへ入りたい」と今後の努力を誓っていた。

 10日には牧阿佐美バレエ団公演の「ドン・キホーテ」のキトリを初めて踊り、4月には大阪府河内長野市での「白鳥の湖」全幕主演した後、イタリアへ飛んでナポリのサン・カルロ劇場で「デューク・エリントン・バレエ」から「ソリチュード」「コットン・テイル」を踊るなど、多彩な舞台活動が続く。

 (宮川 淳二)

(2002年3月13日・東京新聞)

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