東京新聞
中川鋭之助賞

■平成15年度 受賞者インタビュー

山本隆之さん
『全ダンサーのいい点を吸収したい』

 今後いっそうの飛躍が期待される若手ダンサーに贈られる、中川鋭之助賞(東京新聞制定)の受賞が決まったバレエの山本隆之。「うれしい。かなり頑張らなくちゃという気持ちです」と喜びを語る。

 舞踊とは全く無関係の家庭で育ち、中学生のとき、舞踊スタジオを開設した従姉(いとこ)の勧誘でこの道へ入った。

 当初はけいこに出るとき、友達に会っても「バレエに行く」とは恥ずかしくて言えず「ちょっとアルバイトに…」と言葉を濁していたそうだ。7年たってニューヨークのジョフリー・バレエ・スクールに留学。同バレエ団の舞台にも立ち、日本のスタジオでけいこしていたジャズダンス系作品ばかりではなく、オリジナル「くるみ割り人形」などにも出演した。クラシックの才能を見いだされたからこそだろう。

 2年の留学を終えて帰国。その後は内外のコンクールで上位入賞を果たし、新設の新国立劇場のダンサーに挑戦して登録ソリストに採用された。

 2001年にはシーズン契約ダンサーとなり、いまやプリンシパルとして新国バレエの中心的存在。

 「スタートがジャズだったので、クラシックを身につけるのに苦労しました。好きなのはドラマ性のある『ロメオとジュリエット』のような作品。特に新国との契約になってからは古典、コンテンポラリーと多くの作品に出て、他にいては味わえない経験をすることができました。好きな特定のダンサーはいませんが、すべてのダンサーのいいところを吸収していきたい」と、どん欲だ。

 新国の5月公演で「白鳥の湖」の王子、6月公演では「ラ・シルフィード」のジェームスを踊る。

(2003年3月26日・東京新聞)

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