東京新聞
中川鋭之助賞

■平成16年度 受賞者インタビュー

島田衣子さん(井上バレエ団所属)
『師匠が喜んでくれたのが何よりうれしい』

 活躍が期待される新進舞踊家に贈られる今年の中川鋭之助賞(東京新聞制定)を受賞した島田衣子(きぬこ)さん(井上バレエ団所属)。「私でいいのかな。“師匠”(岡本佳津子さん)が喜んでくれたのが何よりもうれしい」と喜びを語る。

 4歳でバレエを始めた。きっかけは伯母がバレエをしていたのと、母親がテレビに映るピンク・レディーに合わせて踊るのを見てバレエを始めさせたこと。その母親は今も舞台を欠かさず見に来てくれる「厳しい批評家です」。けがや大きな挫折もなく「バレエが本当に好き」という気持ちはずっと変わらない。

 高校卒業後、スウェーデンとデンマークの王立バレエ団への研修派遣を経験した。井上バレエ団とは、歯科医の祖父が芸術に造詣が深く、若かりしころのバレエ団創設者、故・井上博文さんと親交があったことなどから縁ができた。

 クラシックだけでなく、コンテンポラリーも踊れるダンサーとして注目されるいわゆる“売れっ子”。「コンテンポラリーも踊りたいが、クラシックの方を大切にしていきたい」という。「眠りの森の美女」、「くるみ割り人形」など多数の出演経験を持つ。

 「自分を表に出すことと、一歩引いて自分を冷静にみる」という両面を併せ持つ性格。語り口は謙虚だが、言葉は意志の強さを感じさせる。

 趣味は音楽鑑賞。普段はクイーンやエアロスミスなどのロックをよく聴く。最近ハマっているのが、携帯電話の着信音作りで、今どきの若い女性の一面も。

 月1回、子供たちにバレエを教える機会がある。

 「教えることによって自分が学ぶことも多いです。自分からいろいろなことを吸収して学んでいきたい」と向上心は旺盛だ。「人間として立派になりたい。物事を違う角度から見るようになりたいですね」

 (多田行夫)

(2004年5月10日・東京新聞)

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