東京新聞
中川鋭之助賞

■平成17年度 受賞者インタビュー

川野眞子さん(モダンダンス)
『日本のことば 重視していきたい』

 「見えない手で、握手してもらったようです」。今後の活躍が期待される新進舞踊家に贈られる、中川鋭之助賞(東京新聞制定)を受賞した川野(かわの)眞子(まこ)さんは、モダンダンス部門からは初めての受賞者となった喜びを、こう表現した。

 自宅で母親(依久子氏)がスタジオを開いていたので、自然にモダンダンスに親しむ環境に育つ。ジャズダンスも同時に習っていたが、20歳のときに体形的に向いていると勧められ、モダンダンスに専念する。

 一番印象に残っている公演は、パートナーである中村しんじ演出・振付の「ありす」。1998年に池袋で上演、03年に文化庁主催の「本物の舞台芸術体験事業」として、国内13都市で公演した。

 その中村氏主宰のナチュラルダンステアトル公演では、けいこ中に中村氏と周囲が驚くほどの激しい議論を交わす。「少しでもよりよい舞台のためです。最近では皆慣れたようです」と笑う。

 最近は公演のほか、国内外でワークショップに力を入れている。海外ではコンタクトインプロビゼーションと題して、ダンスの生徒や演劇学校の生徒を教える。ペットボトルなど道具を使った動きが、踊りに結びつくことを生徒が理解したときや、海外での生徒の反応が楽しいという。

 趣味は絵を描くこと。パステルで自身の舞台やイメージを描く。音楽も好きで、ジャンルを問わず聴く。音楽を聴くことで、踊りに結びつける。

 自身の踊りの特徴を、「手話みたいなもの」と表現し、自身で演出するよりは踊り手でいたいという。「日本の歌で当て振りをしたり、日本の『ことば』を重視したりしていきたい」と抱負を語る。来年はオーストラリアでのリー・ウォーレン、宇野萬各氏らとのコラボレーション公演が控えている。

 (多田行夫)

(2005年4月20日・東京新聞)

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