東京新聞
中川鋭之助賞

■平成21年度 受賞者インタビュー

寺島ひろみさん
バレエ界に新星誕生
寺島ひろみさん

 二十四日から、めぐろパーシモンホール(東京都目黒区八雲)で始まる東京新聞全国舞踊コンクール。かつての出場者の中からまた一人、クラシックバレエのスターが誕生した。新進気鋭のダンサーに贈られる「中川鋭之助賞」の今年の受賞者・寺島ひろみさんは一九九五年、同コンクールジュニア部門入賞の経歴を持つ。

 「エッ、私が? というのが最初の感想です。過去の受賞者を知って、そんな錚々(そうそう)たる仲間に入れてもらっていいんでしょうか? と」

 受賞インタビューに答える寺島さんは、やや控えめに喜びを話す。

 その道のりは必ずしも平たんではなかった。「プロに進むことを決めたのは高校三年のころで、遅い方でした。それも悩んで、悩んで」。ロシアのワガノワ・バレエ学校を経てマリインスキー劇場バレエ団に留学したものの、自信をなくして一年ほど帰国した時期も。

 ただ抜群のスタイルに加え、豊富な練習量で身に付けたハイレベルの技量には定評があった。二〇〇四年、新国立劇場で抜てきされた難曲中の難曲「ライモンダ」の全幕主役で飛躍のチャンスをつかむ。昨年二月、ワシントン・ケネディセンターの米国公演では、ワシントン・ポスト紙が舞台写真を三枚も使い「日本によるロシアの美」の見出しで大々的に報じた。

 今年、四回目のライモンダを演じた。「その都度、役に込める感情が違っていて、踊りを楽しんでいる自分がいます」と充実した今をかみしめ、さらに進化を遂げようとしている。

(2009年3月2日・東京新聞)

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