東京新聞
中川鋭之助賞

■平成22年度 受賞者インタビュー

永橋あゆみさん
「舞台はみんなで創るもの」と気付いた
寺島ひろみさん

 「自分としても吹っ切れた舞台だったので、認めてもらえ、とてもうれしいです」。一月の東京文化会館で見せたドン・キホーテのキトリの演技。「昨年までとは別人の踊り」と高い評価を受け、今回受賞の大きな理由となった。

 母親がバレエを教えていたこともあって、幼いころから、ごく自然に踊っていた。高校卒業後、谷桃子バレエ団に入団し二〇〇一年、各地のコンクールで入賞。翌年、同バレエ団の主役に抜てきされ、順調なステップを踏んでいたが「二年ほど前から、どう踊っていいのか分からなくなり、模索の日々が続きました」。

 手痛い失敗も経験し迷いが深まる中、ふと「今までは自分のことばかり。舞台はみんなで創(つく)るもの」と気づいて肩の力が抜けた。

 今回は、周りの出演者とのコミュニケーションをより密にし、作品の深みにまで目を向けてみた。

 「これが私のキトリですよって。その思いが客席まで広がり、初めて舞台を楽しめました。お客さんと踊りの楽しさを共感できるダンサーを目指します」

 大きな試練を乗り越えたプリマの顔は、晴れ晴れと輝いて見えた。三十歳、東京都在住。(山岸靖昌)

(2010年3月11日・東京新聞)

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