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【点検 秘密保護法案】

<4>適性評価 飲酒・借金・家族も調査

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 特定秘密保護法案では、「秘密」を扱うことになる公務員が情報を漏らす恐れはないか見極めるため「適性評価」を義務づけている。防衛産業など秘密を扱う契約業者の民間人も対象となる。調査する個人情報は多岐にわたり、プライバシーを侵しかねないと指摘されている。

 調査事項は(1)スパイ・テロ活動との関係(2)犯罪、懲戒歴(3)情報の違法な取り扱い歴(4)薬物乱用や影響(5)精神疾患(6)飲酒の節度(7)借金などの経済状況−の七項目。病歴や飲酒、借金など、極めて個人的な内容が含まれる。

 さらに公務員や民間人の家族も調査。親、配偶者、子、兄弟姉妹やその他の同居人の住所、生年月日、国籍まで確認する。

 家族の国籍までなぜ調査する必要があるのか。

 法案を担当する内閣情報調査室は「国籍だけで判断することはない」としつつも「国籍によっては、外国につけ込まれる要素があるかもしれない」という。例えば、政府は防衛白書で中国の動向を「わが国を含む地域、国際社会の懸念事項」と位置づけるが、親や配偶者が中国籍なら「つけ込まれる要素」と判断するのか。

 対象者は防衛、外務両省、警察庁などで六万四千人。他省庁や警視庁、道府県警、民間人、さらに、その家族まで合わせると、膨大な数に上る。

 日弁連の秘密保全法制対策本部事務局長の清水勉弁護士は「適性評価は五年ごとで、対象者の環境はその間も大きく変化する。妥当性は乏しい」と指摘。「家族の国籍や住所で何を判断するのか」と民間人を含めたリストを捜査機関が悪用するケースを警戒する。

 実際、政府が市民を監視していた事例が明らかになっている。二〇〇二年には防衛庁(現防衛省)が、自衛隊に情報公開請求した市民の身元を調査し、リストを作成していたことが発覚。〇七年には陸上自衛隊の情報保全隊が、イラクへの部隊派遣に反対する市民運動を監視していたことが分かった。

 今回の法案では、特定秘密を不正に取得する行為やそそのかしたりする市民も厳罰の対象にする。政府が情報を求める市民に対し、これまで以上に監視を強める恐れがある。 (横山大輔)

 

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