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【点検 秘密保護法案】

<5>情報公開 永久に秘密も可能

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 政府が指定した「特定秘密」を国民が知るすべはないのか。特定秘密保護法案の政府原案では、特定秘密は裁判所も確認できず、将来、開示される保証もない。政府に都合の悪い情報も「秘密」として、永久に国民の目には触れず、葬り去られる可能性がある。

 政府が持つ情報を国民が得るには、いくつかの方法がある。

 一つは情報公開法による請求だ。だが、政府が「国の安全が害される」などと判断した情報は公開しない。「特定秘密」が非開示とされるのは確実だ。

 この法律では、国民が提訴しても、裁判所は情報の中身を確認できない。政府の非開示の判断が本当に妥当か見極めるのは難しい。民主党政権当時の二〇一一年に法律の改正案を提出し、裁判所が情報を確認できる仕組みをつくろうとしたが、国会で審議されず廃案になった。安倍政権では議論もされていない。

 もう一つは、公文書管理法による請求だ。各省庁の文書は、保存期間終了後に首相の同意で廃棄するか、国立公文書館に保存する。「特定秘密」がこの法律の適用対象にならなければ、各省庁だけの判断で廃棄される恐れもある。政府は適用するかどうか「検討中」と説明するが、適用されても情報公開法と同じで、公開しないこともできる。

 そもそも、特定秘密の指定期間は五年だが、更新は何度でもできる。政府が更新を繰り返せば、永久に指定は解除されない。

 米国では、非公開の機密でも原則十年以内、例外として二十五年以内で解除される。安全保障上、問題がある場合でも五十年、七十五年と期間を定め、それを超える場合は特別の委員会の承認が必要だ。国家機密も将来的な公開を前提にしているのに対し、秘密保護法案にそうした規定はない。

 政府はすでに外交文書を原則三十年で公開している。さらに、記録がない閣議や閣僚懇なども議事録をつくり、三十年後に公開する法改正を検討する。だが、いずれも「特定秘密」に指定されれば、期間に関係なく非公開とされ続ける。

 安倍政権は「秘密」の管理や漏えいの厳罰化に熱心だが、政府情報の公開には消極的だ。 (大杉はるか)

 

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