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【特定秘密保護法案 修正された法案要旨】

太字は主な修正部分)

 修正された特定秘密保護法案の要旨は次の通り。

 【法の目的】

 国際情勢の複雑化に伴い、国と国民の安全確保に関わる情報の重要性が増大している。一方、高度情報通信ネットワーク社会の発展により、漏えいが懸念される。国の存立に関わる安全保障に関し、特に秘匿が必要な情報を的確に保護する体制を確立した上で収集、整理、活用することが重要だ。特定秘密の指定や取扱者の制限を定め、情報の漏えい防止を図り、国と国民の安全を確保することを目的とする。

 【特定秘密の指定】

 閣僚ら行政機関の長は防衛や外交、「(スパイ行為などの)特定有害活動」の防止、テロ活動防止などに関する事項のうち、公になっておらず、漏えいが国の安全保障に著しい支障を与える恐れがあるため、特に秘匿が必要な情報を特定秘密に指定する。特定秘密の範囲を明らかにするため、文書や電磁的方式などにより情報を記録する。

 【指定の有効期間】

 特定秘密指定の有効期間は五年以内とする。期間満了時に五年を超えない範囲で延長できる。三十年を超えて指定する場合は内閣の承認を得る。有効期間は六十年を超えることはできない。ただし(1)武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物(2)現に行われている外国政府または国際機関との交渉に不利益を及ぼす恐れのある情報(3)情報収集活動の手法や能力(4)情報源に関する情報(5)暗号(6)外国政府などから六十年を超えて秘密指定することを条件に提供された情報(7)政令で定める重要情報−は六十年を超えて指定できる。

 閣僚らは、特に秘匿する必要のなくなったときは、有効期間内でも速やかに指定を解除する。

 【特定秘密の提供】

 閣僚らは、この法律と同様の秘密保護を講じる外国政府や国際機関に特定秘密を提供できる。(1)衆参両院が秘密会などにより公開しない場合(2)刑事事件の捜査、公判維持のために裁判所に提示する場合(3)誰も情報開示を求めることができないとの条件で情報公開・個人情報保護審査会に提示する場合−で、安全保障に著しい支障がないと認めたときは特定秘密を提供するものとする。

 【取扱者の制限】

 特定秘密の取り扱い業務は、閣僚らが実施した適性評価により漏らす恐れがないと認められた者に限る。首相や閣僚、内閣官房副長官、副大臣、大臣政務官、首相補佐官らは適性評価が不要。

 【適性評価】

 閣僚や都道府県警本部長は、特定秘密を取り扱う行政機関職員や警察職員、行政機関との契約により特定秘密を扱う民間事業者らが情報を漏らす恐れがないかどうか適性を評価する。評価から五年を経過し、引き続き特定秘密を扱うことが見込まれる者や、評価後に特定秘密を漏らす疑いが生じた者は再度、適性評価する。

 適性評価では(1)「特定有害活動」や「テロ活動」との関係、家族や同居人の氏名、生年月日、国籍、住所(2)犯歴や懲戒の経歴(3)薬物の乱用(4)精神疾患(5)飲酒の節度(6)経済状況−などについて同意を得た上で調査する。

 適性評価を実施したときは結果を評価対象者に通知する。情報を漏らす恐れがないと認められなかったと通知するときは、適性評価の円滑な実施を妨げない範囲で理由を通知する。

 評価対象者は書面で苦情を申し出ることができ、閣僚らは誠実に処理して結果を通知する。苦情を申し出ても不利益な扱いは受けない。閣僚らは特定秘密保護以外の目的で、評価結果や個人情報を利用してはならない。

 【特定秘密の指定等の運用基準】

 政府は特定秘密の指定と解除、適性評価の実施に関し、統一的な運用基準を定める。首相は基準の策定や変更の際、有識者から意見を聴いた上で案を作成し、閣議決定を求めなければならない。

 首相は毎年、秘密の指定と解除、適性評価の実施状況を有識者に報告し、意見を聴かなければならない。首相は秘密指定などに関し、行政各部を指揮監督する。必要があるときは閣僚らに特定秘密情報の資料の提出を求め、改善を指示できる。

 【国会への報告】

 政府は毎年、特定秘密の指定と解除、適性評価の実施状況を国会に報告し、公表する。

 【国民の知る権利】

 法律を拡張解釈して国民の基本的人権を不当に侵害することがあってはならず、国民の知る権利の保障に資する報道・取材の自由に十分配慮しなければならない。

 出版・報道に従事する者の取材行為は専ら公益を図る目的があり、法令違反または著しく不当な方法でない限りは、正当な業務行為とする。

 【罰則】

 特定秘密の取り扱い従事者が特定秘密を漏らしたときは十年以下の懲役とし、情状で十年以下の懲役および一千万円以下の罰金に処する。特定秘密の取り扱いに従事しなくなった後でも同様とする。未遂は罰する。過失により情報を漏らした者は二年以下の禁錮または五十万円以下の罰金に処する。

 国会の秘密会や裁判などで秘密の提供を受けた国会議員、裁判官ら公益上必要で秘密を知った者が漏らした場合は五年以下の懲役とする。過失で漏らした場合は一年以下の懲役に処する。

 外国の利益や自己の不正利益を図る目的で、人を欺く行為、暴行、脅迫、窃取、施設への侵入、不正アクセス行為などにより特定秘密を取得した者は十年以下の懲役とし、情状で十年以下の懲役および一千万円以下の罰金に処する。未遂は罰する。

 特定秘密の漏えいを教唆、扇動した者は五年以下の懲役とする。

 【付則】

 公布の日から一年以内に施行する。施行から五年経過後、特定秘密を保有したことがない行政機関は秘密指定機関から除く。ただ五年以降に保有する必要が新たに生じた機関は政令で定め、特定秘密を指定できる。

 政府は、秘密指定の基準などが安全保障に資するかどうか独立した立場で検証、監察できる新機関設置を検討し、措置を講じる。国会に提供した特定秘密の保護方策は国会で措置を講じる。

 【別表】(特定秘密の対象)

 ▽防衛に関する事項

 (1)自衛隊の運用、運用見積もり、計画、研究(2)収集した電波情報、画像情報、その他の重要情報(3)情報収集能力(4)防衛力整備に関する見積もり、計画、研究(5)武器、弾薬、航空機などの種類、数量(6)通信網や通信方法(7)暗号(8)武器、弾薬、航空機などの研究開発段階の仕様、性能、使用方法(9)防衛施設の設計、性能

 ▽外交に関する事項

 (1)外国政府や国際機関との交渉のうち、国民の生命の保護、領域保全など安全保障に関する重要なもの(2)安全保障のために実施する貨物の輸出入の禁止措置やその方針(3)安全保障に関し収集した国民の生命の保護や領域保全などに関する重要情報や条約、国際約束に基づき保護が必要な情報(4)情報収集能力(5)外務省本省と在外公館間の通信や暗号

 ▽特定有害活動防止に関する事項

 (1)特定有害活動防止の措置や計画、研究(2)国民の生命の保護に関する重要情報や外国政府、国際機関からの情報(3)情報収集能力(4)暗号

 ▽テロリズム防止に関する事項

 (1)テロ防止の措置や計画、研究(2)国民の生命の保護に関する重要情報や外国政府、国際機関からの情報(3)情報収集能力(4)暗号

 

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