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【探訪 都の企業】

<第2部>【2】トラボックス(渋谷区神宮前) ネットで物流橋渡し

2008年4月30日

荷物を運んでほしい人と運びたい人を結ぶ国内最大級のネットワークを運営するトラボックスの吉岡社長(左)

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 「札幌発、東京行き、十五トントラック空いてます」

 「至急、横浜発、午後大阪まで、十トントラックありませんか」

 インターネットの掲示板に、荷物を求める運送業者、空きトラックを探す荷主の声が並ぶ。普段は一日に約五百件、繁忙期には一千件を超える情報が飛び交う。

 この「求荷求車」の橋渡し役をしているのが、物流オンラインネットワーク「トラボックス」だ。

 運送会社は全国に約六万社あるといわれるが、大半は車両台数三十台以下の中小業者。彼らの悩みは、片道しか荷物がなく、帰りは空のまま戻るケースが多いこと。

 大手なら、荷物を回し合うことができるが、中小業者では顧客の都合でなかなかうまくいかない。

 「空き車両を探す荷主と、荷物を探す運送業者の情報を、インターネットを使ってうまく仲介することはできないだろうか」

 中小物流業者の弱点を補うアイデアは一九九九年、東京都足立区でそれぞれ運送会社を経営していた藤倉泰徳氏(41)=トラボックス相談役=と、田代正氏(37)=同会長=から生まれた。

 早速、ホームページを作成、情報を携帯電話などに配信するシステムをつくり上げた。

 新たなサービスは口コミで広まり、設立翌年の二〇〇〇年に会員数は千三百社に達し、今年三月には一万二千社を突破。会員総トラック数二十四万台を抱える日本最大の物流ネットワークに成長した。

 吉岡泰一郎社長(37)は「燃料高や後継者不足など、厳しい環境の中小業者を応援したいという気持ちが基本にあった」と話す。

 大手企業が同様の仲介サイトをつくり会費を集める中、トラボックスは手弁当で集まった仲間が運営し、当初の二年間は無料でサービスを提供。現在も荷主側は無料、運送業者は月六千三百円と会費は格安だ。

 また、誰でも簡単に使えるシステムを心掛けた。掲示板に書き込むのは「いつ、どこからどこまで、こんな荷物を」などの情報のみ。後は電話で双方が商談を行うという、単純な手順が運送業界の取引慣習にマッチした。吉岡社長は「私たちの仕事は業者と荷主を結ぶ営業活動の代行です」とほほ笑む。やる気のある中小業者が希望をもって働ける環境づくりに、十人の社員が奮闘している。

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■地域への思い

 「業務はパソコンと電話があればできるので、事務所はどこにあっても構わないのですが、やはり日本の物流の中心の東京にこだわりたい。IT企業と言っても、できるだけ業界の会合や関係他社にも出かけ、顔の見える会社にしていきたいと思っている。そのためにも交通の便のいい現在の事務所は気に入っています」

  (吉岡社長)

 

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