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【探訪 都の企業】

<第2部>【4】R22(世田谷区太子堂) 地道に歩むIT企業

2008年5月2日

社員と打ち合わせするR22の三河良社長(中)

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 雑誌の特集など「若者の住みたい街」の常連である世田谷・三軒茶屋。街のシンボル「キャロットタワー」から徒歩数分。一昨年四月に産声を上げたR22(アールツーツー)は、雑居ビルの五階にオフィスを構える。携帯電話用にホームページ(HP)を持つ企業のために、広告を制作する代理店だ。

 約二十二畳のオフィスでは「お願い致します」という二十代の若手社員の威勢のよい営業トークが飛び交う。現在の社員数は八人だ。その先頭に立つのが、創業者でもある三河良社長(27)だ。

 携帯電話の国内契約数は一億件を突破している。通信の高速化でHP閲覧も容易になった。IT業界では、将来性有望なビジネスの一つに携帯画面を利用したネットサービスが挙げられる。

 「君の販売している商品で携帯電話用はないの」。パソコン用のソフト販売をしていた二年前、取引先のひと言から携帯電話の可能性を感じ取った。起業の理由だ。

 客のターゲットは美容室や飲食店など中小企業だ。まもなく、HP自体の広告も手掛けるようになる。「まだHPの制作方法すら知らない店も多かった。だったらこちらで制作してあげればいい。将来、広告主になってくれるかもしれない」。一カ月一万円の維持費を払えば、HPの作成自体は無料。現在の顧客数は関東中心で三百五十社に上る。

 開業時は資金繰りで苦労した。国民生活金融公庫から融資を断られ、消費者金融などから借りた百五十万円の資本金で創業。「これで吹っ切れた。一度でも単月で赤字を出していたらつぶれていた」と振り返る。徹底的なコスト削減に努め赤字は出ていない。

 昨年度の売上高は八千万円。強みは「技術力より営業力」という。「営業は自分を売ること。お客さまの素材を生かし利益アップに貢献したい。インターネットに慣れない方も多く、専門用語のカタカナもなるべく使わない」。電話営業が中心だが、地元・三軒茶屋では足で顧客を稼ぐ。

 将来の目標は株式上場だ。だが激しく浮き沈みするIT業界を見てきただけに「速さ」に固執しないという。「中小企業密着で地道にやる。少しでも利益を出し、雇用確保で社会貢献したい」

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■地域への思い

 「16歳から三軒茶屋の空手教室に通っていた。若者の街というイメージがあるが、古い商店街も多い。新旧の混在がなんともいえず好き。安い飲食店も多く、社員とのコミュニケーションを取るには欠かせない。お気に入りの場所は、幕末の思想家であこがれの吉田松陰を祭る松陰神社。明治維新の開国精神にあやかりたく、2週間に一度は通っている」 (三河社長)

 

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