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【探訪 都の企業】

<信金編>【5】青梅信金(青梅市勝沼) 地域づくりの旗振り役

2008年7月2日

「親しみやすい」という地域の言葉「のめっこい」を掲げ地域密着を目指す青梅信金

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 都心から西に約五十キロ。自然に囲まれ人口減少や高齢化も懸念されている地域だ。周辺では金融機関の店舗が減り、二〇〇六年、地域の三信金が合併する「再編」もあった。

 この地に拠点を置く青梅信金の森田昇理事長(54)が心に刻み続けてきた言葉がある。

 「貸すも親切、貸さぬも親切」。先輩から教えられた地域金融の心得だ。森田理事長は「貸すことで、かえってその企業の資金繰りが苦しくなることもある。融資が本当に取引先のためになるかどうかが大切」と心得の意味を説明する。さらに「そのためにも職員が融資先のところにこまめに顔を出し、経営者の手腕や考え方を知る必要がある」と力説する。

 「手のけがはどうされたんですか」。若い男性職員が、青梅市内で父親と商店を営む取引先の女性(51)に話しかける。女性は「店番もしなくちゃいけないし、窓口に行くと知っている人に会うので、いろいろとせんさくされることもある。来てもらえるとありがたい」とうれしげだ。

 青梅信金は職員が個別に自宅や商店を訪ね集金や相談なども行っている。昨年打ち出した「のめっこい(地元の方言で『親しみやすい』の意)信金」というキャッチフレーズを実践するためだ。

 地元の「財産」でもある多摩川を生かした地域づくりへの貢献も“のめっこい作戦”の一環だ。

 宮坂不二生・地域貢献部長(56)は日銀の山形事務所時代に最上川で手掛けた活動をモデルに、旗振り役として、多摩川流域の自治体や企業などと広域連携する「美しい多摩川フォーラム」を設立。フォーラムでは源流から下流までに点在する五十一カ所の桜並木を整備する「多摩川 夢の桜街道」プランを目玉事業にすえ、水質調査やごみ拾い、観光促進のためサイトづくりを進めている。

 「将来的には八十八カ所まで増やしたい」と意気込む宮坂部長だが、信金として取り組むことの意義には「利益につなげようとやっているわけではない」という。「地元の人が信金を応援してあげようという気持ちになってくれればいい。地域がほろびれば逃げられる大手銀行とは違うのですから」

  =おわり

 (この企画は、経済部・斉場保伸、杉藤貴浩、荒間一弘、木村留美が担当しました)

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■地域への思い

 「金融機関の店舗が減っている地域なので、『撤退しないでくれと顧客からは言われている』。(3金庫が合併してできた信金は)資金量が大きくてパワーが違うので、競合は厳しいが、小さくてもうちが頑張っていくことで、地元の人たちには選択肢ができ、プラスになることがある。なくなるわけにはいかない」 (森田理事長)

 

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