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【探訪 都の企業】

<おくりびと編>【2】グループダイナミックス(中央区銀座) 高齢…代わりに墓参り

2009年8月10日

お墓参りを代行し墓石を磨くグループダイナミックスの藤沢さん=千葉市若葉区で(藤原進一撮影)

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 千葉市若葉区の霊園。掃除道具や供花を手に、墓掃除を代行する「グループダイナミックス」の藤沢由士さん(29)が現れた。

 慣れた手つきで周囲の雑草を引き抜き、スポンジで墓石を洗う。花を生け、線香をあげ、お墓に手を合わせるまでがこの日、依頼者から請け負った「コース」だ。一通り作業が終わると、最後に依頼者への報告書に添付する写真を撮影した。ここまでの作業で代金は一万四千五百円。個人でも気軽に頼める金額に設定したという。ほかにも砂利を替えたり、墓石を磨いたりと、別料金で追加サービスを付けられる。

 同社がお墓参りの代行業を本格的に始めたのは昨年夏。もともと人材派遣会社を経営している小原洋志社長(35)が、墓参り代行を思い付いたのは、自身の経験からだ。地元が仙台市という小原社長は「お盆休みに墓参りをしたくても、なかなか忙しくて帰れない。そういう人が、たくさんいるんじゃないかと思った」という。

 インターネット広告だけでお墓参り代行業を開始。スタート直後の昨年八月には二十件ほどの依頼があった。さらに実際に始めてみて「意外なこと」もあった。依頼者が帰省できない人たちではなく、九割以上が高齢者だった。「足が悪くて行けない」「墓が遠くて大変」。お年寄りたちの切実な声が聞こえた。

 今年七月、初めて代行を依頼したという町田市の主婦(60)は「年に二回は墓参りに行きますが、夫の家のお墓と二カ所あり、時間をとるのが難しい。コケも生えてきており、自分だけでお墓を掃除したりするのは大変だった」と話す。

 ただ、「墓参りは自分でするもの」と考える人が多いのも確か。それでも小原社長は「何年も行っていなくて、心に引っ掛かっている人もいる。汚れたままよりはいいのではないでしょうか」と語る。今年八月も前年並みの依頼を見込んでおり、「新たな事業として続けていける」と判断した。

 同社は来年春から、お墓参り代行業を中心に、起業を希望する人たちにビジネスモデルを紹介していく計画だ。

 小原社長は「墓の掃除以外にも派生する仕事は多い。やっていけるビジネスです」と胸を張る。高齢化で墓を守ることが難しくなっていく中、サポートするシステムを望む人も増えそうだ。

■大切な人へおくる言葉

 大学に入るまで一緒に暮らしていた祖母。子どものころはよく遊んでくれて、いわゆる「おばあちゃん子」だった。地元を離れても、よく電話がかかってきていたが、「いずれ、いずれ」になり、なかなか帰郷できないまま、5年前に亡くなった。今年も帰れそうもないけれど、「家族みんな元気にやっているよ」と伝えたい。(小原社長)

 

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