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【探訪 都の企業】

<アンケート編>返済猶予制度 中小企業に賛否

2009年10月8日

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 中小企業向け融資などを3年程度猶予する制度を、亀井静香金融担当相が打ち出している。「この制度、必要だと思いますか?」。本紙の連載「都の企業」に登場した中小企業のうち17社に思いを聞いたところ、「絶対に必要」「単なる延命になりかねない」など賛否が分かれた。 (経済部・須藤恵里)

 航空機部品などを生産する松井精機の松井懐社長(59)は「当たり前の発想。日本の産業を支えてきたのは中小零細企業。救済は絶対に必要だ」と言い切る。家電販売店ヤマグチの山口勉社長(66)も「猶予で助かる会社はかなりある」と賛成派だ。

 世界シェアをほぼ独占するメッキ技術を持つ深中メッキ工業の深田稔社長(45)は「これぐらいやらないと、年を越せずに倒産するところが増える」と厳しい現状を指摘。原田左官工業所の原田宗亮社長(35)は「小さな企業が銀行と交渉するのは難しい。制度はありがたい」と歓迎する。

 一方、コミック本のフィルム包装機器を製造販売するダイワハイテックスの大石孝一社長(60)は「資本主義なら借りたものを(約束通り)返すのは当たり前だ。人気取りの政策にしかみえない」と反対する。人材派遣会社で墓参り代行業なども行うグループダイナミックス、小原洋志社長(35)は「三年後につぶれる会社を救っても仕方がない。猶予するかどうかの線引きが重要になるが、現場を知らない国や大手銀行にそれができるのか」と疑問を投げかける。

 介護・水泳用品のフットマーク、磯部成文社長(68)は「何が何でも返すという責任感が緩み、経営にプラスにならない」とし、歯車加工のチバダイス、千葉英樹社長(41)も「成長分野に(資金が)シフトする流れが失われてしまう」とする。

 医療用電球などを開発する細渕電球の高橋建志社長(47)は「次の手がある会社にとって制度は有用だが、ない会社には単なる延命策にすぎない」との見方だ。

 服飾製造・販売のフェローズ、志村昌洋社長(49)は、亀井氏が打ち上げる理念には賛成した上で「借り入れができる会社はまだいい。それさえできなかった企業にも目を向けるべきだ。より弱い中小零細企業まで視線を下げて政策を実施してほしい」と求めた。

 東光薬品工業の小林洋一社長(39)は、賛否とは別に「新しいことをやっていかないと、もはや生き残っていけない」と訴えた。

 

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