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【探訪 都の企業】

<韓流編>【上】グレイテスト(新宿区) 新大久保発 Kポップ

2010年12月26日

ライブでファンを盛り上げる新大久保発の韓流アイドル「KINO」=東京都新宿区で(圷真一撮影)

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 東京・新大久保の雑居ビル五階にあるライブハウス「K−POP LIVE(ケイポップライブ)」。コンピューター入力された無機的なリズムが大音量で流れると、ステージに立つ長身の若者五人がキレのあるダンスを始めた。狭いフロアに詰め掛けた八十人を超える女性客から「キャー」という絶叫気味の歓声が上がる。中高生から中高年の女性まで年代は幅広い。

 五人は「KINO(キノ=K−POP・IN・OOKUBOの略称)」という同店専属の韓国人アイドルグループだ。日本に住む韓国人約千人からオーディションで選んだ二十三〜二十六歳の若者で構成。原則として水曜日から日曜日まで毎週、同店のステージに立つ。

 韓流の聖地ともいえる新大久保発の韓流アイドルを演出したのは同店を経営する企業「グレイテスト」だ。自らもJ−POPの歌手としてデビュー経験のある同社の浅賀孝義社長(34)は「今のK−POPブームは、完成されたグループが来日して大きな会場で歌う。これではストレスを感じるファンもいるのではないか。もっと身近なやり方はないかと考えた」と話す。

 店は九月に開いた。料金はワンドリンク付きで一ステージ一般二千円、学生千円。KINOとの写真撮影や握手も可能で、誕生日の観客にはメンバーからの歌のプレゼントもある。このファンへのきめ細かいサービスが功を奏し、一日三回のライブは連日満員。ファンクラブも七百人を超えた。週に一度は通うという横浜市の大学生、赤坂美佳さん(20)は「自分と一緒に成長するKINOの姿を見られるのがとってもいい」と興奮気味だ。

 国内市場に進出するK−POP勢は、日韓の大手レーベルや音楽事務所が立てた綿密な戦略に乗って圧倒的な成功を収める。浅賀社長は「K−POPに押されている現状は悔しい」と言いながら「あくまでも新大久保という街にこだわりながら、『日本発のK−POP』で成功できるようグループを育てていきたい」と意気込む。

 KINOのメンバーたちも思いを共有する。メンバーのヨンファンさん(23)は「メンバーは兵役も終わっている。ずっと日本で活動するつもり。目標は東京ドームで公演すること。それから韓国に乗り込みたい」。“都の企業”と韓国の若者たちが協力しながら“韓流の逆流”に狙いを定めている。

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 東方神起に続き少女時代、KARA(カラ)、2PM…。韓流グループが、国内音楽市場を席巻している。韓国経済の勢いを背景に、“韓の流れ”は止まらない。隣国を意識した音楽ビジネスを展開する「都の企業」を紹介する。

 

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