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【探訪 都の企業】

<韓流編>【中】バウンディ(渋谷区) 日韓インディーズ融合

2010年12月27日

ライブで演奏する韓国のバンド「クライング・ナット」=東京・渋谷のライブハウスで(バウンディ提供)

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 韓国の代表的パンクロックバンド「クライング・ナット」が日本のバンド「ザ・ブルーハーツ」の代表曲「リンダ リンダ」を歌いだした。日韓の若者約三百五十人がこぶしを振り上げる。

 東京・渋谷のライブハウスで開催したコンサートのタイトルは「ソウル・トーキョー・サウンド・ブリッジ」。「インディーズ」と呼ばれる独立系レーベルに所属する日韓のロックグループが二組ずつ出演した。同様のコンサートは、ソウルの若手アーティストが集まる街といわれる弘大(ホンデ)のライブハウスでも開かれた。日本勢は喝采を浴び、現地新聞やテレビ局も取材に訪れた。

 企画したのは日韓インディーズレーベルの関係者。日本側の責任者は、携帯電話の「着うた」など、音楽配信サイトへのデジタル音源提供を手がける「バウンディ」だ。同社の山崎雅丈マーケティング本部長(43)は「優れた音楽をお互いに紹介してファンを広げ、音楽配信事業の市場拡大につなげるのが狙いだ」と説明する。

 戦略の背景にあるのは、縮小傾向にある日本の音楽市場に対する危機感だ。少子高齢化で主力購買層の十代が減少し、CDやDVDの売り上げは落ち続けている。山崎本部長は「稼ぎ頭の音楽配信も最近は伸び悩み気味で、海外市場開拓は不可欠だった」と明かす。さらに「韓国をパートナーにしたのは文化的に親しみやすく、普及させやすいと判断したため」という。

 日本でK−POPアイドルばかりが脚光を浴びている現状への不満も募っていた。バウンディの福岡智彦社長(56)は「インディーズには、息長く応援してくれる地道なファンが多い」と話す。

 「サウンド・ブリッジ」は今後、年四回ほどのペースで実施していく予定だ。出演バンドの曲を集めたアルバム作成といった計画も進んでいる。

 福岡社長は「デジタル時代になって音楽が海を越えるのはたやすくなったが、売れるには工夫が必要だ」と力説。「今回のイベントはビジネスとしての成果がまだ出ていない。しかし積み重ねが何かを生むと信じている。日韓が協力して良いバンドが活動できるよう環境を整えたい」と“日韓インディーズ”の融合に意気込んでいる。

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