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【探訪 都の企業】

<韓流震災編>【中】コーヒープリンス2、3号店(新宿区百人町) ときめきは不滅です

2011年7月20日

イケメン韓国人店員と彼らのファンでにぎわう韓流喫茶=東京都新宿区で(藤原進一撮影)

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 「お皿を持ってきてほしいと頼んだら、食べ方も教えてくれました。優しくて、ときめいてしまいました」。都内に住む四十代の女性が興奮気味に話す。一緒に来た友人の女性も「ここは非日常です。すっごく楽しい」と目を輝かす。

 彼女たちの視線の先にいるのはカフェ「コーヒープリンス2号店」と「同3号店」の店員男性たちだ。店内は白っぽい壁に花が飾られ、一見普通のおしゃれなカフェとの印象だ。しかし、イケメン店員と女性客たちが醸し出す熱気でむせ返るようだ。

 店の発想は、人気韓国ドラマ「コーヒープリンス1号店」をヒントにした。全員韓国人の二十代男性店員が接客する。入り口近くのレジで先に精算し、商品を受け取るセルフサービスの仕組みだ。

 実際の1号店にあたる「コーヒープリンス」は、趙在国(チョジェグク)社長(30)が日本の料理学校を卒業後、二〇〇九年一月に開店した。若い韓国人男性店員だけという特徴がインターネットで話題となり、店員男性の「ファン」となった女性客が増えていった。現在では2号店と同じビルの3号店を含め新大久保周辺に三店舗を構える。

 しかし、東日本大震災は、店の熱気を一気に奪い去った。趙社長は「三月十三日に店を開けたのですが、客足は、ぱったり止まった。店員たちが掃除をして客を待つ日々がしばらく続きました」と振り返る。三店舗で二十人の店員のうち二人は帰国した。一方で、少しずつ戻り始めた客から、姿が見えない店員を「大丈夫」と気遣う声も寄せられた。

 四月中旬、自粛ムードが和らぎ始めた頃、客足は回復。趙社長は「しばらくすれば戻って来てくれると信じていた」という。今では震災前同様、女性たちが店の外まで列をつくり、中では人気メニューの韓国風かき氷(パッピンス)をほおばる女性たちで満杯だ。

 自宅の屋根が震災で壊れたという、栃木県で農家を営む四十代女性は「半年ぐらい前から来たかった。けれど震災で七月になってしまった。もう店員さんのファンになってます」と喜ぶ。

 「お客さんが元気になり、喜んでくれる店づくりをこれからもしていきたい」と趙社長。「韓」のもてなしを求める女性たちが聖地・新大久保の「熱」を再び上昇させている。

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