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【探訪 都の企業】

<FC東京熱血応援編>【下】パスインターナショナル(千代田区九段南) 本場流演出で後押し

演出の進行状況に目を光らせるパスインターナショナルの塚田俊蔵さん=東京都調布市の味の素スタジアムで(安江実撮影)

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 「Players are coming up!(=選手入場)」

 FC東京の本拠地、味の素スタジアム。英語のアナウンスが流れる。十月三十日の東京ヴェルディ戦。地元チーム同士の、いわゆる「東京ダービー」だ。選手が姿を見せると、三万五千人を超す観客から地鳴りのような歓声が起こる。余分な演出を排除し、スタジアム全体がゲームに入り込んでいく。

 ホーム試合の進行を担当するのは、イベント企画制作会社「パスインターナショナル」。本拠地を味スタ(当時は東京スタジアム)に移した二〇〇一年から請け負っている。

 「最初から、本場イングランドのスタジアムの雰囲気が目標だった」と、現場責任者の塚田俊蔵プロデューサー(44)は話す。Jリーグ発足から遅れて加盟した“後発組”のFC東京。鹿島や浦和、清水といったサッカーどころには、すでに定着した型がある。他チームと違う東京らしいスタイルにと考え、チームとともに出した結論が“本場流”だった。

 塚田氏は一九九〇年代以降、何度も欧州に足を運び、スタジアムの雰囲気を体感。過剰な演出もなく、サッカーに集中できるイングランド流に心酔した。

 「ピッチが舞台で選手は役者。演出で邪魔をしてはいけない。応援もサポーターが仕切るもの。画面や音声であおったりはしない」

 その流儀に従い、選手がウオーミングアップでピッチに姿を見せると、チームマスコットの「東京ドロンパ」は退出する。観客の安全確保といった「伝えなければならない情報」は日本語で告知。だが、「雰囲気を左右する」試合前の選手紹介は〇一年から変わらず英語のみ。アナウンス役には英国出身のスティーブンさん(52)を起用するこだわりぶりだ。試合中、得点場面を除き、大型画面でリプレーも流さない。

 “過剰演出”を戒める姿勢に、サポーターの石井将彦さん(36)は「『応援はおれたちで』というサポーター気質を理解してくれている。リプレーを流さないのも、プレーが途切れにくいサッカーという競技に合っている」と話す。

 イングランドにこだわるのには、もうひとつ理由がある。「サッカーに対する目が肥えているから」。試合に集中できる雰囲気があれば、結果としてサポーターの目が肥える。それに応えようとチームも強くなっていく。そんな好循環をつくり出せればと思っている。

 本場流、いや「FC東京流」で、再びJ1の舞台に上ろうとしている。(この連載は服部利崇が担当しました)

<FC東京からひとこと> 十年かけ、来場者が自然と応援したくなる雰囲気のスタジアムを一緒につくった。選手と試合優先の演出ノウハウを高く信頼している

 

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