東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > 探訪 都の企業 > 記事

ここから本文

【探訪 都の企業】

<学生ビジネス編>【上】アプリ「すごい時間割」 Labit(目黒区青葉台)

学生向けアプリ「すごい時間割」を運営する慶応大生の鶴田浩之さん(左)=東京都渋谷区で(坂本亜由理撮影)

写真

◆キャンパスライフ共有

 全国七百七十大学で、計五万人を超える学生が使っている人気アプリ(応用ソフト)がある。大学講義の時間割を管理できる「すごい時間割」だ。

 スマートフォン(多機能携帯電話)などを使って大学名を入力すると、曜日と時限ごとに講義名が出る。自分がとっている授業を登録すると、自分用の時間割が完成。同じ授業を履修している人の名前もずらりと並び、共通の授業も分かる。試験前に「誰かを誘って勉強会を開きたい」と思ったら「友達申請」ボタンを押せば相手にメッセージが届く。

 開発したのは、慶応大環境情報学部二年の鶴田浩之さん(21)が最高経営責任者(CEO)を務める「Labit(ラビット)」(目黒区青葉台)。「関心が似ている人とのつながりを可視化できるアプリ。時間割を通じて、人と知り合うきっかけになれば」と鶴田さん。昨年十月に公開してわずか八カ月。「ほぼ口コミだけで広がった」という。

 今年四月には、授業のない「空きコマ」が同じ人を簡単に検索できるように改良。「実は授業以上に『空きコマ』の過ごし方を充実させることが大切」という大学生ならではの視点を取り入れた。

 登録されていない講義があれば自分で追加できるため、利用者の数だけ内容は充実していく。多いときで利用者が一日五百人、登録講義も千件ずつ増え続けている。「学期が変わる今秋には、利用者は二十万人まで増える見込み」という。

 アプリの利用は無料のため現在はラビットに収入はないが、学部や履修の傾向などが分かる時間割の特色を生かして、広告と結び付ける仕組みづくりを模索している。

 例えば、理工学履修者にはITのエンジニアの募集広告、文系の英語履修者には英語塾の講師の募集が出るといったように、企業が望む学生向けにピンポイントで広告を出せる。特定のキャンパスに通う学生向けには、大学近くの飲食店の広告が出るといったアイデアなど、ビジネス化の構想は着々と進む。

 ラビットは、社員五人の平均年齢が二十二歳と若い。このうち鶴田さんを含め三人が大学または大学院に籍を置く。慶応大湘南藤沢キャンパスに通う鶴田さんを、「将来は湘南のジョブズ(米アップルの創業者)になるかも」と期待する男子慶大生もいるほどだ。

 発想の根源にあるのは、「人の生活スタイルが変わり、問題解決につながるようなものづくりをしたい」という思い。「すごい時間割」で「その一歩目が踏み出せた」と若き起業家は目を輝かす。

    ◇

 学生の自由な発想から生まれたアイデアを生かし、全国の学生や大学を対象に新たなサービスを展開する「都の企業」を紹介する。

 
 

この記事を印刷する

PR情報