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【探訪 都の企業】

<こだわり製品編>【上】木製・吸音で独自技術 東京ブラインド工業(港区白金)

独自開発した木製ブラインドなどを手掛ける東京ブラインド工業の桜井武志社長=東京都港区で(小平哲章撮影)

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 東日本大震災の被災地を支援し、人や企業の出会いの場をつくろうと、全国の信用金庫が連携して八月五、六の両日、「2014“よい仕事おこし”フェア」を東京国際フォーラム(千代田区)で開く。出展する「都の企業」のこだわりの製品と、ものづくりへの意気込みを紹介する。

 「大手と同じものを作っても勝てない。小さな会社だからこそ、どこにもできないものを作らなければ」。東京ブラインド工業(港区白金)の桜井武志社長(57)は挑戦の姿勢を強調する。現在、日本ブラインド工業会に所属するのは四社で、中小企業は同社だけだ。

 転機となったのは、社長就任直後の一九九九年に開発した国産スギのブラインドだった。鳥取県の医療福祉施設を担当した設計事務所が、地元産のスギを使ったブラインドの製造を依頼。国産スギのブラインド開発は日本初で、「大手は面倒がって断ったが、『検討しましょう』と答えた」と当時を振り返る。

 通常、ブラインドの耐久年数は十年程度。しかし、良質な木材を使って、数年ごとに再塗装するなどのメンテナンスを行えば、百年以上使用できるという。「普通のブラインドは買ったときが一番いい状態だが、木製ブラインドは二十年使えばその分、質感が変わっていい味が出る」と魅力を語る。

 同社の木製縦型ブラインドは二〇〇三年、日本デザイン振興会が主催するグッドデザイン賞を受賞。税抜き九万六千円からと高額だが、こだわりを持つ個人宅や店舗向けの需要を呼び込んだ。今年二月には多摩地域のスギを使った商品も発売した。

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 木製ブラインドで弾みをつけた同社は〇九年、新たな「オンリーワン商品」として、吸音ブラインドを発売。繊維に当たった音を熱エネルギーに変換する作用のあるフェルト材を燃えにくいように改良し、ブラインドに使用した。「音が反射してザワザワと聞こえるのを緩和し、聞きたい音がはっきりと明瞭に聞こえるようになった」という。

 今夏には吸音ブラインドで得たノウハウをもとに、オフィスやカフェ向けに吸音パーテーションや吸音パネルを発売する予定だ。

 桜井社長は「大手のように数は売れなくても、顧客が満足して長く使ってもらえることが何よりのやりがいになる」と力を込めた。

 

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