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【探訪 都の企業】

<信金発!地域発見フェア編>【上】階段も安心 避難マシン サンワ(渋谷区)

非常用の階段避難車キャリダン(手前)について説明する美沢暁彦副社長=七森祐也撮影

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 全国の信用金庫が厳選した約五百八十の企業・団体が一堂に集まる「信金発!地域発見フェア」が十二、十三の両日、東京ドームで開かれる。全都道府県から中小企業などが参加する初めてのイベントで、東京新聞も協力。出展する都の企業は「こだわりの製品を全国に紹介できる機会」と意気込んでいる。

 火災や地震の発生時、歩行困難な人を階段を使ってビルから迅速に避難させる。そんな課題を解決するため、独創的な避難マシンを造っているのが福祉・防災車両などのメーカー「サンワ」(渋谷区)だ。

 ブルドーザーのようなギザギザのゴム製ベルトを使って、階段を昇り降りする車両を国内で唯一生産。中でも災害時に障害者や高齢者を乗せ、介助者が手で押して階段を降りる避難車「キャリダン」は一九八五年の発売以来、国内外で約二万三千台を販売した。日本の国会議事堂や米国防総省にも導入されている。

 美沢暁彦(みさわあきひこ)副社長(50)によると、ある病院長から「災害時に入院患者を階段で避難させられる機械を造ってほしい。それがないと、安心して眠れない」と懇願されたのが開発のきっかけだった。

 八〇年に発売した電動の階段昇降車は、動きが遅く非常用には不向きで、手動の昇降車を造る必要があった。「体重の重い人も軽い人も同じ速さで降ろせるかが課題だった」が、油圧で速度を制御する仕組みを考案、商品化にこぎ着けた。

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 それでも、病院や福祉施設はなかなか買ってくれなかった。「一度に歩行困難者を一人しか避難させられず、しかも一台に一人の介助者が必要となる」からだ。

 しかし、二〇〇一年の米中枢同時テロを契機に、車いす利用者の避難について関心が高まり、海外で売れ始めた。国内でも障害者の雇用が進んだことなどを背景に、足の不自由な社員の避難用として大企業が購入するようになった。価格は約二十万円だ。

 美沢副社長は「今後は一台で二人避難させられるキャリダンを開発するなど、使い勝手の良い商品の研究を続ける」とさらなる進化に意欲を燃やしている。

 

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