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【探訪 都の企業】

<信金発!地域発見フェア編>【中】発想光るLEDルーペ サイモン(松戸市)

独自開発したLED付きのルーペを手にするサイモンの下地克信社長=圷真一撮影

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 レンズ研磨装置の販売から転身し、アイデアあふれる眼鏡やルーペ(虫眼鏡)関連商品の開発で、独自の市場を切り開いている企業がある。千葉県松戸市の住宅街の一角に本社を構える「サイモン」だ。

 「市場規模が小さくてもいい。1+1=3になるような、どこにもない商品を作れば利益は生み出せる」。下地克信(かつのぶ)社長(72)が手に持つのは、ちょうど片手に収まるサイズのルーペ。背面から発光ダイオード(LED)の光を放ち、暗い部屋でも新聞や雑誌が読める。小型のボールペンも内蔵しており、メモ書きもできる。

 今年三月に一個千五百円(税抜き)で発売すると、企業が配布する記念品や贈答品、シニア向け雑誌の景品などとして反響があり、計一万六千個が売れた。

 さらに視野は海外市場へ広がる。蒔絵(まきえ)のシールを施して「和装」したルーペを、イタリアや米国などの展示会に出し、来年末までに百万個を販売するのが目標だ。

 こうした販売計画や開発を支える十一人の社員は、大手メーカーをリストラされた技術者などベテランぞろい。「いつでも独立するつもりでやれ」。技術・開発力を磨いてもらおうと社員を励ましてきた。

 下地社長は米国企業のレンズ研磨装置を販売する代理店として一九七七年にサイモンを設立、国内に生産拠点を置く大手眼鏡メーカーなどに出荷してきた。しかしこの二十年間、取引先の生産拠点は相次いで海外に移転し、受注も大幅に減った。こうした流れを予測し、企画開発型の事業に軸足を移してきた。

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 眼鏡の上からかけられる老眼鏡付きのサングラスは、釣りの時に手元で餌を付けるのに便利。名前や写真をプリントした眼鏡ふきは企業の販売促進商品として好評。ショールームに並ぶのはどれもシンプルなアイデアが光る商品だ。

 消費税増税後の景気の低迷についても、「消費者の財布のひもを緩めるのは、ユニークなアイデアだ」と一言。発想力で生き抜いてきた自信に裏打ちされた言葉は力強い。

 

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