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【探訪 都の企業】

<“よい仕事おこし”フェア編>【上】転ばぬ先の筋力測定器 三陽プレシジョン(品川区)

膝間力計測器を操作する三陽プレシジョンの小島裕司社長=東京都品川区で(中西祥子撮影)

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 「2015“よい仕事おこし”フェア」(城南信用金庫主催)が、九月八、九の両日、東京国際フォーラム(千代田区)で開かれる。全国の信用金庫が厳選した約三百五十の企業・団体が一堂に集まり、新たなビジネスチャンスを探るのが狙い。出展企業の自慢の製品、取り組みを紹介する。

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 「高齢者が介護を受けずに生活していくための『介護予防』は切実な問題。これからの高齢化社会に向けて、役に立つ物を作りたい」。「三陽プレシジョン」(品川区西品川)の小島裕司社長(61)が手にするのは、今春完成したばかりの膝間力計測器「ふんばり力チェッカーくん」。膝で力を入れてはさんだり、外側に向けて開いたりすることで、膝を開閉する「内転筋」と「外転筋」という二つの筋肉の力が測定できる。

 腰回りや太もも周辺の筋肉は、歩いたり走ったりする時に使う重要な部分。「筋力の衰えを定期的にチェックして鍛えることで、お年寄りの転倒を防ぐことができる」という。知人の大学教授の依頼を受けて開発に着手。試行錯誤を重ね、二年半かけて完成させた。

 政府の推計では、六十五歳以上の高齢者人口は二〇二五年には全体の三割を超える見通しで、介護問題は避けて通れない。小島社長も母親を長く介護した経験がある。「ちょっと転んだだけで骨を折って入院し、ベッドの上にいるうちに足腰が弱まり、やがて認知症に…」。そんな話もよく耳にした。「介護予防は、まず転倒防止から」。そう信じて、だれでも簡単に使える測定器を目指した。

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 プラスチック・ダイカスト部品製造をメーンに創業して約六十年。従来の部品製造に加え「役立つ物、面白い物をじっくり作りたい」と思うようになった。膝間力計測器もそうした挑戦から生まれた。

 〇七年、アイデアやデザイン性に富む商品を主に手掛ける「コラボレーション事業部」を設立。中の食材と一緒に絞って水切りできる軟らかいザル、植物の根を傷めず植え替えできる道具など、これまで三十五点の商品を生み出した。

 「これがあってよかったと言ってもらえる物を作りたい」と小島社長。日常の不便を解消するアイデアあふれるものづくりに、今後も力を注いでいく決意だ。

 

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