東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > 探訪 都の企業 > 記事

ここから本文

【探訪 都の企業】

<“よい仕事おこし”フェア編>【下】提案する下請け 次の夢 プラメックス(大田区)

医療機器のコントローラーを手にするプラメックスの里見俊一社長。手前はレジの集計システム=東京都大田区で(五十嵐文人撮影)

写真

 大手からの仕事を受注通りこなすイメージが強い下請け企業だが、「提案する下請け」をキャッチフレーズに、設計から組み立てまでを一貫して引き受ける企業がある。プラスチックなど樹脂部品製造のプラメックス(大田区池上)だ。

 樹脂業界は、一九八〇年代後半から大手プラスチックメーカーが工場の海外移転を始め、転機を迎えた。下請けの仕事はコストが安い海外企業に発注されるようになり、国内の仕事は一気に減った。里見俊一社長(61)は「一時期の羽振りのよさがうそのように、つぶれていく下請け企業が多くあった」と思い起こす。

 同社はプリント基板関連の事業がもう一本の柱だったため、なんとか危機を乗り越えたが、八割あった樹脂関連の売上比率は二割に落ち込んだ。「このままでは行き詰まる」。里見社長は危機感を強めた。

 今後を模索する中、大企業の変化に気が付いた。彼らは設計や試作、デザインなど日本に残していた仕事まで、コスト削減のため外注に出すようになっていた。「あれを取る!」。二〇〇〇年ごろに参入を決め、製品試作用の設備を七千万円を投じて購入した。

 しかし、実績がない状態からのスタートで営業に回っても門前払いが続く。数年間は利益にならない仕事も引き受けた。「手掛ければノウハウは身に付く。『ウチはできません』なんて言う余裕はなかった」という。

写真

 徐々に、がん治療に使う医療機器のコントローラー、レジの集計システムなど、設計から量産まで手掛ける一千万円単位の仕事を獲得できるようになっていった。「あのとき決断しなければ、会社はなくなっていた」と振り返る。

 次の挑戦は「オリジナルブランドの製品を開発し売り出す」ことだ。提案する下請けをもう一歩前へ、そんな気持ちを持ち続けることが大事だと信じている。  (この連載は中沢佳子、渥美龍太が担当しました)

       ◇

 プラメックスも出展する「2015“よい仕事おこし”フェア」が9月8、9の両日、東京国際フォーラムで開かれる。約350の企業・団体が自慢の製品や技術を紹介。東京新聞もブースを設けて新聞製作を実演する。入場無料。

 

この記事を印刷する

PR情報