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【探訪 都の企業】

<ビジネス交流展編>大人に書く楽しさを 北星鉛筆(葛飾区)

「大人の鉛筆」などの商品について話す北星鉛筆の杉谷和俊社長=東京都葛飾区で(高嶋ちぐさ撮影)

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 赤、緑、黄色…。東京・下町の閑静な住宅街にある本社ビルの壁面には、巨大な鉛筆がカラフルに描かれている。約三十人の従業員が一日十万本の鉛筆を製造する北星(きたぼし)鉛筆(葛飾区)だ。

 「ものづくりは時代の一歩先を読み、オンリーワンの商品を作り出すこと」と話す杉谷和俊社長(68)は、鉛筆という伝統的な筆記具を土台にしたアイデア商品の数々で、鉛筆文化を守り続けようとしている。

 安価なボールペンが普及し、国内の鉛筆生産量は一九六〇年代の三分の一以下に減少。今では「鉛筆=学童用」というイメージがすっかり定着した。

 逆転の発想で二〇一一年に発売した「大人の鉛筆」(税抜き五百八十円)は木製の軸にシャープペンシルと同じ構造を取り入れ、二ミリの太い鉛筆の芯を採用。鉛筆と同じ書き味で軸が短くならないのが特徴で、鉛筆で書く楽しさを再び感じてほしいとの願いを込めた。

 スマートフォンの普及を受け、一三年には大人の鉛筆を上下逆さまにするとノック部分が画面操作用のタッチペンになるタイプ(七百八十円)も発売。杉谷氏は「既存のものを改良して売り出すのはただの物まね。うちはオンリーワンのものばかり」と胸を張る。

 鉛筆製造時に出る大量のおがくずを、木製粘土などに再利用する取り組みも行う。背景には「捨てていたおがくずを製品化して売ることで得た利益で、安価な外国製に対抗できる」との思いがある。鉛筆の地位向上に向けた挑戦は終わらない。 (北條香子)

◆27日に「ビジネス交流展」

 東京TYフィナンシャルグループは27日、「TOKYO TY ビジネス交流展2016」(東京新聞後援)を東京国際フォーラム(千代田区)で開く。北星鉛筆など155の企業・団体が出展し、製品や技術を紹介する。

 

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