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東日本大震災6年

ランドセルに夢ぎっしり 3.11に生まれ6歳の誕生日 入学式心待ち

11日で6歳の誕生日を迎える橋本栞ちゃん。青空の下で元気いっぱいに育つ=5日、福島市の十六沼公園で

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 身長110センチ。ぴかぴかのランドセルには、夢がぎっしり詰まっている。2011年3月11日、たくさんの命が失われた日、福島市の橋本栞(しおり)ちゃん(6)は車の中で生まれた。あの日から6年。「友達、いっぱいつくりたい」。入学式を心待ちにしている。 (塚田真裕)

 母の幸枝さん(39)が陣痛室にいるとき、地震が起きた。キャスター付きのベッドが部屋の端から端へ動くほどの揺れ。父の紀明さん(40)が覆いかぶさって守った。避難したのは屋外駐車場に止めた紀明さんのミニバン。座席を倒して息んだ。午後三時二十六分、元気な泣き声が響いた。水はなく、タオルとガーゼで体を拭いた。

 茶色地にピンク色の縁取りがあるランドセルは、近くに住む祖父母のプレゼント。内側にあしらわれた小さなハート模様がお気に入りだ。家でも何度も背負っては、鏡に映る姿を見つめる。

 「漢字の勉強もしたいし、陸上部にも入りたい」。最近、友達と手紙を送り合うようになった。「栞っていう字も、書けるんだよ」。間違えないようにゆっくり鉛筆を滑らせる。

 六年前、長女の奏(かな)さん(12)の小学校の入学式は、直前に起きた原発事故の影響でみんなマスク姿だった。公園で遊べるようにはなったが、今も収束の道筋は見えない。「栞」には、木の枝を折って作った道しるべ、との意味がある。「未来を明るく照らしてほしい」。名前に込めた両親の思いは、復興の暦を刻む人々の願いでもある。

 

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