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【南海トラフ巨大地震】

南海トラフ 被害220兆円 M9地震 避難950万人

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 南海トラフで東日本大震災と同じマグニチュード(M)9級の巨大地震が発生すると、関東以西の広い地域で断水や停電が起こり、最悪の場合に九百五十万人が避難し、建物被害や経済活動への影響などで損害は二百二十兆円に上るとの想定を内閣府中央防災会議の作業部会がまとめた。揺れと津波を生き抜いた後も厳しい状況が続く。政府は新年度、具体的な対策を盛り込んだ大綱などを策定する。

 想定では、地震発生直後に関東、中部、北陸、近畿、四国、中国、九州の各地方で約二千七百十万軒が停電、三千四百四十万人が断水に遭う。水や物資が不足するため、一週間後には自治体の避難所に身を寄せたり被災地外に避難したりする人が九百五十万人に膨れ上がると見積もった。食料は発生後一週間の合計で九千六百万食が不足する。

 揺れや津波で倒壊する建物や、電気や水道などのインフラ損壊の直接被害は百六十九兆五千億円で、東日本大震災の十倍に上った。想定被害の大きいのは愛知県の三十兆七千億円、大阪府の二十四兆円、静岡県の十九兆九千億円の順。首都圏の一都四県では計二兆千五百億円だった。

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 また、東海、中京、阪神などの生産拠点が被災して東西の交通も寸断される。このため生産やサービスが落ち込み、企業の生産活動への損害は地震発生から一年間で国内総生産(GDP)の一割近い四十四兆七千億円に上ると試算。企業生産の損害と一部重複するが、道路や鉄道の寸断による物流停止などの損害が六兆一千億円と推計した。

 南海トラフ地震の被害推計は二〇〇三年にM8・7で八十一兆円とされたが、東日本大震災クラスに規模を見直し、損害額は二・七倍の想定となった。

 内閣府は昨年、南海トラフ巨大地震による津波の高さと死者数の想定を公表。今回は東日本大震災の実例を基に地震発生後に生じる問題を分析した。「厳しい数字だが、ありのままを知ってもらい、着実に対策を進める」と狙いを説明する。

 作業部会は今月中にも対策を提言する最終報告をまとめる。内閣府はこれを受けて新年度、被害削減の数値目標などを定めた防災戦略や大綱を策定する。

<南海トラフ> 静岡県東部の駿河湾から九州沖にかけて800キロ以上続く海底の溝(トラフ)。このトラフに沿って「東海」「東南海」「南海」の3地震が想定されている。内閣府では昨年、3地震が同時発生し、巨大津波を伴う最悪の場合に津波高は最大34メートル、死者は計32万人に上るとの想定を公表した。

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