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【南海トラフ巨大地震】

自治体備蓄に限界

JR西日本が大震災を想定して行った帰宅困難者を避難誘導する訓練=9日未明、JR大阪駅で

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 南海トラフ巨大地震の被害想定で、避難者向けの非常用品の備蓄に限界があることが分かり、ライフラインは自力復旧が急務となった。防災拠点とされる空港は被災する恐れがあり、見直しが求められそうだ。

◆大阪の避難者150万人 保存食、毛布足りず

 避難者想定数は近畿地方では大阪府が最も多い。府内で備蓄される煮炊きの不要な保存食は二百三十七万食で、府は「自治体の備蓄には限界がある」と家庭や企業での備えが不可欠と訴える。

 避難者は一週間後には百五十万人へ増加と想定。避難所では百九十二万人まで収容が可能と試算されるが、府の毛布の備蓄は約五十八万枚しかなく、担当者は「防寒具の不足解消も課題」としている。

 近畿六府県の帰宅困難者は最大二百七十万人と想定。全員収容するのは難しい見通しで、大阪府の担当者は「混乱が収まるまでは無理に帰宅せず、勤務中であれば会社にとどまってほしい」。

 年間約五千万人の観光客を迎える京都市で交通網がまひした場合、市は最大三十七万人が帰宅困難となり、うち十三万人が観光客と想定。担当者は「観光客は土地勘がなく恐怖心から混乱しやすい。パンフレットや看板を利用し正しい情報を伝達することが重要」と話した。

◆ライフライン事業者 自力復旧が急務

 「従来は三日しのげば外からの支援が見込めるとされてきたが…」。大きな被害が想定される静岡県。広域災害の場合、他地域からの支援の遅れが考えられ、ライフライン事業者は自力復旧できる取り組みが求められる。県の担当者は「孤立状態が長引き、被害が拡大することも考えられる。各事業者も自力で復旧を進めていけるよう、資機材の備蓄など備えが必要になる」と指摘する。

 静岡県内では最大約二十万戸で都市ガス供給がストップするとみられ、静岡ガス担当者は「支援が遅れたり、分散したりする可能性がある。ガス供給に必要な電力などの確保に力を入れていく」。

 携帯電話の中継基地局では静岡、愛知両県内の80%以上が機能不全に陥るとされた。NTTドコモ東海支社の担当者は「自己防衛と広域連携の両方が成り立たないと、復旧はできない」と話した。

 内閣府は、高知、宮崎両空港が大きな被害を受けると予想。宮崎県は、空港を人命救助や物資輸送に当たるヘリコプターの拠点と位置付けていたため、四月から代替ヘリポートの選定に入る。

 高知空港の地元、南国市は「防災拠点になる空港を守るには、海岸堤防のかさ上げや耐震化が重要だ」と指摘する。大津波警報が出た場合、空港より海寄りに住む市民を空港ビル屋上に避難させる計画だが、来年三月末までに複数の津波避難タワーも整備するという。

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