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【東京達人列伝】

洋服、顔立ち…“人形博士” バービー専門店経営 松葉賀子さん

2009年1月26日

バービー人形を手に笑顔を見せる「cafeBAR−B」店長の松葉さん=江戸川区で

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 「スタイル抜群で顔もかわいい。ヒールを履いた大人の人形、というのが一番の魅力です」。江戸川区西小岩のバービー人形専門店「cafe BAR−B(カフェバービー)」を経営する松葉賀子(よしこ)さん(58)は目を細めた。

 世界で最も有名な人形の一つ、バービー。店はまさにそのデパート。数少ない個人店の正規品取扱店として、さまざまな年代、種類の人形を取りそろえ、収集家たちに頼られる存在だ。世界中からファン千人以上が集い、本国・米国で年一回開かれるコンベンションにも毎年参加し、希少品を仕入れる。

 数多くのバービーに接するうち、知識は自然と蓄えられた。「腰や足が自然な形に曲がるのは一九六○年代から」「口を大きく開けて笑っているのは八○年代の特徴」。顔立ちの変遷や洋服のコーディネート、家族や友人などの情報は頭の中に詰まっている。「でも、知識はあまり気にしない。私より詳しいお客さんも多いので、教えてもらっています」

 ちょうど五十年前、世界初のファッションドールとしてニューヨークでデビューしたバービー。発売は米マテル社で、製造は日本でされていた。「『ビンテージ』と呼ばれる発売時から六○年代半ばまでの洋服や小物なんかは今見ても、丁寧な作り」。本体の素材を研究開発した人にも苦労話を聞いたという。

 小学六年生の時、日本で発売されるとすぐ夢中になった松葉さん。「着せ替えたり、髪形を変えたりするのが楽しくて。アメリカにすごくあこがれてね」

 バービー熱は二十代後半で再燃。旅先でも町の玩具店に立ち寄って買い集めた。収集品は数百にもなり、九年前にはついにバービーを並べたカフェをオープン、その後販売専門店にした。

 「箱から出して遊んでこそ良さが分かる」と松葉さん。バービーの魅力をもっと多くの人に、特に人形遊びをしなくなった今の子どもたちに伝えたい。「病気でも出てきたくなる仕事に出会えた。お客さんが来なくても、大好きなバービーを見てられるから幸せ。なんて経営者としてはだめなんですけどね」と笑った。

  (小林由比)

 

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