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【東京達人列伝】

手作り装置でエコ “創エネ”名人 高野達男さん

2009年12月28日

ペットボトルで自作した太陽熱温水器を活用している高野さん=稲城市若葉台で

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 自宅の二階屋根上に設置された太陽熱温水器。保温用の透明シートの下に、黒く塗った二リットルのペットボトル八十本がずらりと並ぶ。逆さにした口はパイプとホースで一階の浴槽につないである。「水をはると、夏には数時間で六〇度以上になる。曇りでも四〇度前後は十分ある」

 実用化したのは、稲城市若葉台一、市臨時職員の高野達男さん(60)。ペットボトルの活用を一九九五年に考え付き、すべて手作りで開発した。以来、風呂の湯を送り続ける「頼もしい装置」だ。

 屋根の上でも、浴室から水道の水圧で百六十リットルの水を張ることができる。使うときは落差を利用して給湯するから、ポンプもいらない。冬場を除く三〜十一月の間は風呂の湯に活用。湯を沸かすガス代を考えると、年間四万円以上の節約になるという。塩化ビニールパイプや台座の板などの材料費は五〜七万円で済むから、二年目には元が取れてしまう。

 高野さんは元稲城市職員。市がごみの分別収集を始めた当時の担当者だった九五年、廃棄物減量化のネックとなっていたペットボトルの処理に頭を悩ませた。「熱に強い特性を利用できないか」と考え付いたのが、太陽熱温水器だった。

 手先の器用さを生かし、九三年にビールの空き缶を使って太陽熱温水器を試作していたのが端緒に。これにペットボトルを代用したところ、「さびもこないし、劣化しない。軽い分だけ、作りやすい」。

 アイデアは評判を呼び、地球温暖化対策をめぐる京都会議が開かれた九八年には、高野さんが作り方をまとめた本「ペットボトル太陽熱温水器の作り方」(パワー社刊)も出版された。

 これが契機となり、神戸の市民グループが阪神大震災を教訓に、温水器の普及活動を展開。各地で講習会を開催するなどして全国に広がった。

 高野さん方では、パラボラアンテナのように太陽熱を集める手製のソーラークッキング器を使っているほか、自作の太陽光発電装置や風力発電機も活用。自転車の廃材で人力発電ラジオを作ったり、雨水利用を進めたりして自然エネルギーの有効利用に今も知恵を絞る毎日だ。

 実技指導の依頼も多く、各地の講習会に積極的に足を運んでいる。「手作りのエコは面白い。温水器がもっと多くの家庭に広がってほしい。市民一人一人が“創エネ”に取り組めば、地球温暖化防止対策にもつながるはずだ」と話している。 (堂畑圭吾)

 

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